日々草子 姫と軍師 18

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Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

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二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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姫と軍師 18

コメントのお返事、またもやできていなくてすみません!!
後程、させていただきます!
本当にコメントに背中を押されて書いている状態なのに、このようなことで申し訳ありません。











琴子は歩き続けていた。
「あの時、軍師様をお尋ねした時に鍛えておいてよかった…。」
もしあの時直樹を訪れていなかったら、今頃の自分はろくに歩くことができなかっただろう。
あの刀の鍔を見た時、琴子の中で堪えていたものが一気に溢れ出してしまった。それはもうとどまることをしらなかった。
かろうじて平静を装ったものの、いざ婚儀の前の晩になってどうしても我慢できなくなってしまった。
夜明けとともに、こっそりと寝所を抜け出してしまった。桔梗や侍女たちが今頃は慌てていることだろう。何より、啓太をはじめとする鴨狩家のことも心配である。
とんでもないことをしていることは分かっている。しかしこのまま何事もなかったように鴨狩家の嫁になることはできなかった。

「方向はあっていると思うのだけど。」
鴨狩の領地へは輿に揺られて来た。しかし道すがら小窓から景色を眺めていた。見覚えのあるような気もする。
「途中で誰かに聞いてみればいいわよね。」
とにかく一刻も早く直樹の顔が見たい。その一心で琴子は歩き続けた。


どれほど歩いただろうか。ふと何かが聞こえた。
「まさか…。」
琴子はゆっくりと振り返った。
「待たれよ!!」
馬の蹄の音と共に男の声が聞こえた。それは聞き覚えのある声である。
「ああ…。」
まさかこんなに早く追いつかれるとは。やはり女の足では限度があった。

「姫、お待ち下さい!」
馬の集団の先頭にいたのは、船津だった。琴子を追いかけてきたことは一目瞭然であった。
琴子はここまでと観念した――。



「…おみ足が丈夫なのですね。」
琴子の前で馬から下りた船津は、そのような嫌味を口にした。
「城の近くで見つけることができると思っていたのですが、まさかこのような場所まで来ていらしたとは。」
「…ごめんなさい。」
素直に琴子は謝った。これでもう全て終わりである。あきらめて戻らなければいけない。
「戻る」と琴子が言いかけた時、船津が意外な行動に出た。
「皆、下がっているように。」
船津は家臣たちに下がるように命じたのである。これには家臣たちも驚いたが、船津の言うとおり、黙って下がった。

「…城を逃げ出されたのは、我が殿との婚儀が嫌だったからですか?」
他の者に話が聞こえないくらい下がった時、船津が口を開いた。
「そのようなことは決して…。」
「嫌でなければ逃げないでしょう?」
船津に問い詰められ、琴子は言葉が出ない。確かにその通りだった。
「あの、反省しました。」
琴子は言った。
「もうこのようなことはしません。戻ります。」
「…入江のことを慕っておいでなのですか?」
船津は琴子の言葉など聞こえなかったかのように、訊ねた。
「お答えを、姫。」
琴子はしばらく考えた。が、隠すこともできなかったので小さく頷いた。
「…軍師様のことが忘れられないのです。寝ても覚めても。」
琴子の答えを聞き、船津は溜息をついた。

「お立場をお分かりですよね?」
船津は厳しい目を琴子に向けた。
「はい。」
「姫は鴨狩家と相原家の同盟のために嫁がれたことも、お分かりですよね?」
「はい…。」
琴子は俯いたままだった。船津はその琴子をじっと見下ろしている。

「…しかし、立場を忘れてしまうのが…恋慕というものなのでしょう。」
「え?」
もっと厳しい言葉が投げつけられると思っていた琴子は、船津の言葉に顔を上げた。
「…私にも覚えがありますゆえ。」
「そう…なのですか?」
「ええ。」
船津は頷いた。

「歩いていた妻を初めて見た時から、片時も忘れることができませんでした。私の家は代々鴨狩家に仕える重臣、こちらから申し込めば縁談は成立すると分かっておりましたが、それはしたくなかった。」
船津の話に琴子は興味深く耳を傾けた。
「人柄もよく分からない男に嫁ぐなど不安だろうと思い、私は何とか自分という人間を妻に知ってもらおうと努力しました。毎日のように妻の家に通いました。」
「まあ。」
「なかなか妻は私を相手にしてくれませんでした。それでも私はせっせと通いました。時には門前で孫子の兵法を諳んじたりしました。学問には自信がありましたから。」
なぜ突然船津がこのような話を始めたのか、琴子には分からなかった。だが船津は構わず続ける。
「やっと妻になってくれると承知してくれた時、それはもう嬉しいものでした。」
「…でしょうね。」
その時の船津が琴子には何となく想像できた。

なぜ船津が突然このような話を始めたのか。それは先日、妻が口にしたことがずっと気になっていたのである。
――姫君は入江様を…。
その時自分はこう返した。
――それに比べて私は幸せ者です。
だから、琴子が消えたと聞いた時はさして驚かなかったのである。

「今の姫を見ていたら、その時の自分を思い出します。」
船津には今の琴子と、妻の心を得るために必死だった自分がどこか重なって見えたのだった。だからつい、余計な話をしてしまったのである。
「そうですか…。」
琴子はそれしか言わなかった。
「…人を恋しいと思う気持ちに身分など邪魔なのかもしれませんね。」
「船津殿?」
またもや意外な言葉が船津から飛び出した。
「私もよく馬鹿にされました。男ともあろう者が女の元へ通うなどみっともないと。しかし私は全然平気でした。」
船津は笑った。
「今の姫も同じお気持ちなのかと、私は思います。」
そして船津は琴子の後方を指さした。

「この道をまっすぐ行かれたら、寺があります。今夜はそこで休まれるとよいでしょう。」
「え?」
琴子は後ろを見て、そして船津を見た。
「寺の和尚には船津の妻の知り合いと申されるといいでしょう。船津家と縁のある寺ですのでご不便はおかけしないはず。和尚でしたら相原家の領地への近道も存じております。お尋ねください。」
「では…?」
琴子は信じられない気持ちで船津を見た。
「私は戻らなければいけないのでは?」
「いくら政略結婚とはいえ、ご乱心の姫を我が殿の奥方に迎えることは躊躇したします。」
「ご、ご乱心?」
琴子が目をぱちくりとさせていると、船津は後ろに控えている家臣たちに向かって叫んだ。
「琴子姫、ご乱心ゆえお戻りになられる!!」
途端に家臣たちからざわめきが起きた。
「そんな、どこがご乱心…。」
「ご乱心なのだ!城を抜け出した時点でもうそれは決定的だ!」
船津は家臣たちを言いくるめた。

「さ、行かれよ。」
「ありがとうございます!!」
琴子は船津に深々と頭を下げた。
「…あのような変わり者がお好みとは信じられませんがね。」
たった一人でここまで歩いてきたことで、琴子の直樹に対する想いの深さが船津には分かったのである。
そして船津は馬にまたがり、琴子をその場に残して城へと戻って行ったのだった。










『三国志』から『西遊記』になってきたような…。
書きながら「ガンダーラ、ガンダーラ」と頭の中に流れていました。

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コメント

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水玉さん、おはようございます♪

今回の船津かっこいい~~~!!!
船津、琴子姫に真里奈に恋していた(今も)自分を重ね、自分のように姫にも幸せになってほしくなったのですね。
“「…人を恋しいと思う気持ちに身分など邪魔なのかもしれませんね。」”
そうよ!そうよ~!嬉しい言葉を~~!!!
2番という刺激を与えなければまともなんですよね!船津くん!

割れた刀の鍔が一つに合わさりますように!!

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あやみくママさん、ありがとうございます。

今回、船津くんの人気がすごくて(笑)
なかなか“”いいかなと自分でも思ってたりします♪
琴子姫、頑張って軍師様に会えるといいですけれど。

佑さん、ありがとうございます。

恋愛に対する素直さだけだったら、入江くんを追い越してますもんね(笑)
船津くん、本当にGJです!

るんるんさん、ありがとうございます。

本当に天の助けですよね!
まさか船津くんが助けてくれるとは!鴨狩家で一番強い(ような)人ですから、何とかうまくいくことでしょう♪

marimariさん、はじめまして。

はじめまして!コメントありがとうございます♪
分かります、分かります!最初は本当に緊張しますよね~。
私も二次創作を読み始めたばかりのころは、本当にコメントすごく緊張しました。
やり方もよくわからないし、変な空白とかあけちゃったりしたし(笑)
ですから大丈夫です!どうぞ細かいことは気にしないでコメント下さったら嬉しいです♪
フトン、読んで下さったんですね。
あそこのアイドルは本当に皆さまに可愛がっていただけて、私も嬉しいです。
こちらの連載が落ちついたら、チラシも細々と再開したいなあと思っております。
ぜひとも、またお気軽に遊びに来て下さいね!

りんさん、ありがとうございます。

そうなんですよ…船津くんに全て持って行かれた感が(笑)
これじゃ「かっこいい入江くんを書こう」じゃなく「かっこいい船津くんを書こう」になってしまっています。
大丈夫ですか?色々あると思いますが…少しでもここが気晴らしになるといいなと思っております。

みづきさん、ありがとうございます。

本当に初めて役に立ちましたよね(笑)まともな船津くんを書けて私も嬉しかったです♪

sarasaさん、ありがとうございます。

うれしゅうぞんじます(私も時代劇調(笑))
船津くんは本当に真里奈に一途ですからね!傍から見ると「絶対おかしい」と思えても本人は喜んでもらおうと必死なところが何だか可愛い気がします(笑)
そんな、こんな「なんちゃって時代劇」な話をそこまで楽しんでいただけるなんて!!
ありがとうございます!
もう途中から割り切って書いております(笑)
つたないなんてとんでもない!いつも楽しいコメントで元気をいただいていますよ!
私こそ、返事が遅れていることに加え、普通の返事で申し訳ないくらいです。
ありがとうございます。

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