日々草子 大蛇森の讃歌

大蛇森の讃歌

この度、ソウ様が開催されている『イタkiss梅雨祭り』にこっそりと参加させていただくことになりました。



いつかお祭りに参加してみたいなと願いつつ、いやいや私には無理だとあきらめつつ。そんな数年を送っておりましたところ…おもいきってお願いして参加の許可をいただきました☆
どれだけ作品を書けるかわかりませんが、少しでも書いてみたいと思います。
と、最初がこれかいっ!って話ですみませぬ。一応梅雨ぽく(?)書いてみました~。









うっとうしい時期がやってきた。
じめじめとしたこの季節、本当に溜息が増える。

職業柄、清潔感は大事だ。僕は大抵毎朝、シャワーを浴びる。

「あなたの燃える手で~あたしを抱きしめて~♪」

おっと、つい歌まで飛び出てしまった。まあ、君たちも僕の見事なテノールの歌声を聞けて幸せってものだよ。
ああ、この歌のようにいつか入江先生が僕を抱きしめてくれないだろうか。
そんな期待を今朝も抱きつつ、僕はボディーソープをたっぷりとスポンジに含ませ、青磁かと見間違うかの体をこする。

「うーん、いい香り。」
シトラスレモンの香り(きっと先生はこの香りが好きに違いない)に包まれ、僕は真っ白のバスローブを身に着ける。頭にも同じ白いタオルを巻く。

「頬と頬寄せ 燃えるくちづけ~かわす喜び~あなたと暮らせるのならば~なんにもいらない~♪」

ああ、歌が止まらない。外は雨だというのに僕の心は見事な快晴だ。

「ギャン、ギャン、ギャン!!」
…チッ!人がいい気分で歌っているってのに、またこいつは!
「うるさい、ご近所迷惑だろうが!」
「ギャン、ギャン、ギャン!!」
まったく、しょうがないダメ犬だ。僕は新しい入江先生の写真を見せる。
「ほうら、ほうら、こっちにおいで。」
「キャウーン!」
途端にしっぼをふりながら、ダメ犬は近づいてくる。
「ほら、ここに置くから好きなだけ見ているんだ。」
僕は写真を奴のゲージの中へと入れる。
「キャン!」
喜んでゲージの中へ入った所でしっかりと出入り口をしめる。
そんなことに気づかず、駄犬は入江先生の写真に夢中だ。ふん、所詮アホはアホ。

え?どんな写真を使ったんだって。
フフン、この間撮ったばかりのホヤホヤだよ。し・か・も!セミヌード!
え?とうとう先生とそういう関係になったのかって?いやいや、それもまあ遠くはない未来だけれど、残念ながら違うんだな。
オペ後にシャワーを浴びている先生をこっそり撮影したんだ。撮影方法は企業秘密ってことで。

さて、僕も朝食を。
今朝のメニューはエッグベネディクトだ。もちろん、僕が作った(ほかに誰が作ると?)。
ああ、ますます料理が上達していく僕。いつか先生に披露する日は来るのだろうか。

朝食を終えたところで、身支度にうつる。
全くこの時季は髪もまとまらない。困ったもんだ。
何とか整えた後、僕はケー○のスーパーハードをつける。うん、これでよし。僕の自慢のモミアゲの繊細なカーブも決まった!
本当に僕って、身なりに気を遣う男だよな。
あの女とは正反対。あいつは身支度に時間をかけるくらいなら、その分グースカグースカ寝ているタイプだね。




「あなたと二人~生きていくのよ~あたしの願いはただそれだけよ~♪」

ああ、外に出たというのに歌が止まらない。これも先生のせいだ。
先生があまりに美しすぎるから、僕の胸には朝だというのに、次から次へと先生への熱い想いが湧き出て止まらない。

と、前方を歩くのはもしや!!

「い、入江先生!」
僕が声をかけると先生は立ち止まって、ゆっくりと振り返った。
「おはようございます、大蛇森先生。」
そして美しい笑顔を僕に向ける。
何て、何て爽やかなんだ!!このじめじめとした鬱陶しい天気を吹き飛ばしてくれる!
先生の笑顔で僕の周りは一気に湿度が下がる。これぞまさしく天然除湿機!しかも電気代はゼロでエコもバッチリ!

「すごい雨ですねえ。」
僕は横に並んだ。ああ、僕のこのシトラスレモンの香りが先生に伝わりますように。
香りに酔った先生が僕の胸に飛び込んできてくれたら…。
でも僕のこの激しい胸の鼓動だけは聞かれたくないな、だって恥ずかしいんだもん。
「そうですね。まさしく梅雨という感じですね。」
「ですが、先生はいつも爽やかですね。」
あ、言っちゃった!とうとう言っちゃった!
すると先生は僕に微笑みかけ、言った。
「そんなことないです。僕も髪が結構ペッタンコになってしまって。」
「そんな!いつもサラサラの美しい髪ですよ!」

「かたく抱き合い 燃える指に髪を~♪からませながら いとしみながら~♪」

ああ、歌が、歌が僕の中で流れる!触りたい!その髪に指を入れたい!!


「大蛇森先生はいつも髪の毛をきれいにされてますね。」
先生が僕をほめてくれた!ケー○のスーパーハード、万歳!!

「そんなこと、でも医者として身だしなみは…。」

「…ウッホン!」
僕と先生の時間をダミ声が邪魔した。
「おはようございます、大蛇森先生。」
チッ!!出やがった!!
「…おはよう、入江くん。」
何でこんな時に登場するんだ!なんだ、お前は!空気を読め、空気を!!
入江先生パワーで一気に下がった湿度が途端に上昇する。
まったく入江先生が除湿機ならお前はカビだな、カビ。次から次へとしつこく出てくるカビ!チーズのカビだったら赤ワインにぴったりだけど、このカビはカビ○ラーで根こそぎ退治してやりたいよ!

「入江くん、先に行っちゃうんだもん。」
僕の前だってのに、先生にまとわりつくチンチクリン。その姿はまるでナメクジのよう。
ああ、塩をかけて溶かしてやりたい!!

「お前がトロいからだろうが。」
先生はナメクジ・チンチクリンの腕を乱暴に振りほどいた。ケケケッ。
「だって、この雨で髪がまとまらないんだもん。」
チンチクリンはそう言って、まるでどっかの鳥の巣、いや鳥の巣の方がきれいだな。とにかくそれくらいモジャモジャの髪に手をやった。
フン、やっぱりこいつは身支度よりも寝ることを優先する女だ。

「ちょうど今、大蛇森先生と髪の話をしていたところだ。」
優しい入江先生は、僕も話に入れてくれようとする。
チンチクリンが高尚な僕たちの会話に加わるのは不本意であるが、ここは先生の好意を受け取ることにしよう。

「大蛇森先生と?髪?」
チンチクリンは僕の髪をじっと見た。
見るがいいさ、お前と違ってこの一本も乱れていない、見事なセットを!

「ああ、確かにきれいですねえ。」
お?チンチクリンのくせに分かるのか?
「でもこの時季はいろいろ大変でしょう?」
「まあね。でも大人の身だしなみとしては…。」
「ですよね。蒸れるのも我慢しないとね。」
一人うんうんと頷くチンチクリン。蒸れる?
「この季節、ヅラは蒸れて大変でしょうね。」
「僕は地毛だあ!!」
僕が叫ぶのと同時に、チンチクリンの頭にげんこつが落とされた。

「入江くん、痛いよ!」
「馬鹿!何て失礼なことを言うんだ!」
「だ、だって。こんな変な頭だし。それにどんなに強風が吹いたって固まっているし。」
だから、ケー○のスーパーハード効果だよっ!!

その時、ブワッと強い風が吹いた。
「きゃあっ!」
チンチクリンが声を上げ、僕は前を見た。見るとスカートがめくりあがっている。
ふん、色気のないカタツムリの柄の…。

バキッ、バキッ、バキッ!

「い、痛い…。」
気づいたら僕は美しく咲き誇る紫陽花の繁みの中に顔を突っ込んでいた。

「…大丈夫ですか、大蛇森先生。」
紫陽花の中から顔を出したら、入江先生がそこに立っていた。
「え?いったい何が起きたんだろうか?」
「今の強風で吹き飛ばされたみたいですよ。」
「強風で?」
いや、感覚としてはフワリというよりも、何かに尻を蹴られたような感じだったんだけど?

「髪の毛も無事みたいで、よかった。」
「え?あ、そうですか?」
僕は髪に手をやった。葉っぱがついていたのでセットが崩れないよう払う。うん、髪は乱れてない。でもお尻が痛い。強風であおられるとお尻が痛くなるもんだっけ?
「あれでもびくともしないなんて、やっぱりヅラ?」
チンチクリンのダミ声が聞こえたが、僕は一切無視した。

「それじゃ、お先に。」
入江先生は爽やかにスタスタと歩いて行く。その後を「入江くん、待ってえ」というマヌケなチンチクリンが付いて行く。

うーん、一体何だったんだろう?
まあいいや。髪は無事だったんだし。
さ、僕も病院へ急ごう。
僕は先生とナメクジの後を歩いて行く。
あれ?入江先生の足元に何かついてるぞ?あれは葉っぱ?
何で葉っぱが?

…ま、いっか。葉っぱもまとわりつくほどいい男ってことで。

おっと、歌も最後までちゃんと歌っておくか。

「くちづけを交わすの~愛こそ燃える火よ~♪あたしを燃やす火~心とかす恋よ~♪」










琴子ちゃんがカタツムリ柄のパンツをはいていたのは、三枚990円セットで買ったものの中にまじっていたってことで。
書き上げてみたら、なんか某メーカーの回し者みたいな大蛇森先生になりました。



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まあちさん、ありがとうございます。

本当!!ケー○は一週間もつのかってところですよね!!

ああ、ようやく修理ですか!
職人さんとか瓦とか、全然足りていないって聞いてましたけど…一年以上経って!!
あらためて震災の傷を知った気がします。
そういえば、お嬢さんはお元気ですか?

紀子ママさん、ありがとうございます。

ええ!!写真、やりすぎましたかね?
なんかガウンとかほしがっていたし、それくらいやりそうだったのでつい…(笑)
確かにもう犯罪の域かも!

琴子ちゃんのカタツムリおパンツは、そういういのを履いていても可愛いだろうなという私の願望だったりします(笑)
三枚いくらで買ったものの中によく、「ああ、これはイマイチなんだけど仕方ないな」と思うのがあったりするじゃないですか?そんな感じでカタツムリおパンツもあったと。
それでもって、一応雨なので合わせてみたぞという琴子ちゃんの隠れたおしゃれって感じです♪

そうそう、私もとうとうスマホデビューしたんです。
…全然使いこなせない。メールを打つことすら満足にできやしない(笑)
電話すら出る方法がわかりませんでしたよ(笑)

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

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