日々草子 最高の報酬
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

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最高の報酬

「あ、また失敗!」
「ママ、下手すぎ!」
「だって、これ難しいのよ。なかなかクリアできないわ。」

…またやってるのか。俺はリビングのテレビの前で騒いでいるオフクロと裕樹を見ながら思った。
二人が夢中になっているのは、「ラケット戦士コトリン」というゲームソフトだ。これは事実上、俺が作った物。親父の会社の窮地を救うべく、開発したが見事に大ヒットした。
「でもこのゲーム、本当に面白いよね。」
「そうよね。ママ、ゲームあまり興味なかったけれど、これは面白いわ。」
当然だ。俺が作ったんだから。
しかし、なぜあいつはここにいないんだ?

「ただいま。」
「お帰りなさい。」
俺が部屋に入っていくと、琴子は読んでいた漫画から目を離した。
「お義母さんたち、まだやってる?」
「夢中になってやっている。」
俺が答えると、琴子はつまらなそうな顔をした。
「お前、やらないの?」
「やらない。」
即答かよ。
琴子は「ラケット戦士コトリン」がどうやら嫌いらしい。いつもならオフクロや裕樹が楽しんでいるところに自分もすぐに入るのに、このゲームをやっている時だけは近寄りもしない。
「何で?」
「…嫌いだから。」
何か俺が嫌いだと言われた気分だな。結構ショックだ。琴子の口から「嫌い」という言葉が滅多に出ないだけに。
「だって、あのゲームって学祭の時に見たオタク部のアニメが元なんでしょう?」
「そうだけど。」
「あのアニメ、私、二度と見たくないの。何か自分を見ているみたいなんだもん。」
そりゃそうさ。アニメもゲームもお前がモデルなんだから。
…まあ確かにキャラクターとはいえ、自分そっくりの顔をした奴があんな衣装で出てくるのを見るのは、いい気持ちしないだろうな。
「それに、何であたしの相手がオタク三人組なの?」
しょうがないだろ。エンディングをああしないと、協力しないと言われたんだから。原案はあいつらだからな。さすがにそこまで俺も権力を振りかざせなかった。

「俺、頑張ったんだけど…。」
ここまで琴子に否定されたのは、本当に初めてだ。思わず傷ついた本音を呟いてしまう。
「入江くんはすごいと思うよ…。」
全然、すごいという顔をしていないぞ、お前。
「別に私がやらなくたって、ああしてみんな楽しんでいるならいいじゃない。」
そう言って、琴子は漫画に目を戻した。

「入江くんまでやってるの?」
琴子が俺の背後から声をかけた。家は誰もいない。俺がリビングで「コトリン」を始めて数時間が経つ。
「散々会社でやったんでしょ?家でまでやりたいもの?」
不満な気持ちを露骨に表す琴子。本気で嫌いなんだな、これ。
「たまにはやってみたくなったんだよ。」
俺は画面から眼を離さず答えた。
「ふーん…。」
やっぱりな。オフクロたちがやっている時みたいに部屋に戻らない。今、あいつの心の中では俺とゲームが天秤に掛けられているに違いない。
「お前もここに座ったら?誰もいないんだしさ。」
そんな揺れている琴子に、俺は一言言ってみる。
「うん…。」
琴子は俺の隣に座った。
やっぱり、俺が勝ったか。ゲームほど、俺も嫌われていないってことだな。よし、作戦はうまく行きそうだ。

「もうすぐクリアするから。」
「早いね。これなかなかクリアできなくて有名なんでしょう?」
あまり凝視しないように、琴子が画面を見ている。
「まあね。」
しばし、俺はゲームに集中した。琴子は本当につまらなそうに見ている。
そして、無事エンディングを迎える。

「クリアおめでとう。」
やれやれといった感じで、琴子が話しかけた。
じゃ、あれやるか…。

「えっ!?」
今までの気のない声か一変、琴子が大きな声を上げた。
「何!?今の!?オタク三銃士の体が弾けたよ!」
そう、俺はエンディング後の裏技を実行した。これをやると、まずオタク三銃士の体がパーンと弾け飛ぶ。
「えっ!えっ!」
また、琴子が興奮した声を上げる。
「これって、これって…。」
「何だよ?」
「入江くんに似ていない!?」
そう。裏技を実行すると、オタク三銃士が消えて、俺に似た戦士が出てくる仕組み。つまり、俺に似た戦士がオタク三銃士の格好をさせられていたという裏ストーリーになっているという訳。
これは攻略本にも載っていない、本当の裏技だ。

「この後、もう一個操作すると、もっとすごい俺たちが見られるんだぜ?」
俺は挑発するように、琴子を見た。
「えっ、見たい!見たい!」
さっきまでの不機嫌さはどこかへ飛んでいったらしい。すっかり画面に夢中になってやがる。
でも、俺はゲームの電源を切る。

「えっ!?何で電源切っちゃったの?」
琴子が残念そうに俺を見る。
「見たかったら、お前がクリアしてみろよ。」
俺はゲーム機のコントローラーを琴子に渡した。
「えー!?」
「自力でクリアして見た方が、感動も倍増するぞ。」

その日のうちに、琴子は「コトリン」の攻略本を全て買い込んできた。そして暇を見つけては、ゲームをしている。
どうやら俺の作戦は見事に成功したらしい。

「入江くん!すごい難しいね!こんなゲーム作っちゃうなんて、やっぱり入江くんはすごいよ!」
琴子が本当に嬉しそうな顔で俺に話しかけてきた。この間の態度とは全然違う。
「当然。」
どんなにマスコミや会社の人間から誉められても、やっぱり一番誉めてほしい人に誉めてもらわないと、寂しいものなんだよな。
俺も人から誉めてもらいたいと思うなんて、変わったものだ。
でも、誉めてほしい人間はこの世に一人だけだってことは、誰にも言わないでおこう。

あとがき
と、いうわけで「二つの報酬」の続きを書いてみました。
いくら大好きな入江くんが作ったものとはいえ、私が琴子だったら、確かに正視することは辛いかも…(笑)
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コメント

初めまして。

今日eamamadoor様のブログから訪問させていただきまして、すべての作品っを読ませていただきました。
某投稿サイト様でも水玉様の作品は読ませていただいております。
「最高の報酬」の裏技にはビックリです!
ちゃっかり入江くんも隠れキャラクターになっていたなんて。さすが入江くん!!
やっぱり琴子に褒めてもらいたかったのね。
すべて自分に向いていてほしいなんて、独占力強すぎ。
大蛇森先生シリーズ面白いですね!いつも入江くんを追いかけているけど相手にしてもらえず…(ぷぷっ)
大人としての付き合いはするけど、全くもうと思っているところがツボです!
これからも遊びに行かせてもらいますね♪

嬉しい♪

二つの報酬の続編!!
水ちゃんありがとうございます^^
「俺、頑張ったんだけど」って呟く直樹に萌えたぁ♪
直樹の嫉妬も青筋話も沢山好きだけど、直樹の作戦話や挑発話も大好きぃぃ^^
て、ことはこのお話の流れから行くと続編もあるって
ことですよね?
琴子は直樹の前でクリアできるのか?
早く直樹の前でクリアする琴子と直樹がみたいです^^
その時の直樹の顔って思いっきりデレなんでしょうね^^
うふっ♪

入江くんたら…

お茶目だわ?
でも、琴子にクリアは無理な気が…秋田の従兄弟達もあんなだったし。でも、入江くんがなんだかんだで手助けしてくれるんだろうなぁ。だってクリアして欲しくてたまらないんでしょうから(笑) さあやちゃん同様、続編希望で~す??

わーーい。寝る前に読みに来てテンション上がってしまって、うろうろしているえまです☆

水玉さん、続編ありがとうございます!!!さあやさん同様呟きに萌えましたぁ。

褒めて欲しい人間はこの世でたった一人‥っていうのもいいですーーー。入江くんの気持ちよく分かります~☆

chieさん、さあやちゃん、アリエル、えまさん、ありがとうございますv-10
いつも入江くんばかり素っ気ない態度なので、今回は琴子に素っ気なくしてもらいました(笑)。
急遽、思いついた話なので荒っぽい感じですが、楽しんで頂けてよかったですv-238

そりゃ‼ショックだよね、コトリン、の。ゲーム入江君が、作ったのに、きらい、二度と見たくないて、大好きな、琴子ちゃん、に言われたら。

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