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2012.02.03 (Fri)

大がかりな後輩 上

コメントを下さった皆様、どうもありがとうございます。
ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。

こちらも放置したままで申し訳ありません。こちらで書ける話が全くないので、どうしたものかと…。
何を書いたら大丈夫なんだろうかと考えると全く書けるものがありませんでした。
いっそのこと「しばらく更新はお休みします」とお知らせを出して閉じるべきかと迷っいるのですが、もしかした
ら何か書きたくなる時が来るかもしれないしなと思うと、なかなかそれもできずにおります。

だからと言って、この話を出すのはどうかと思ったのですが、今こちらで出せるのはこれしかないので…お許しください。
タイトルを見てピンと来た方はご存知だと思いますが、全く分からない方へ注意書きを。

…すごくくだらないです!!もうそれは果てしなくくだらないです!!
決して卑下しているわけではなく、ただただ、自分の好きなものを追求して書いたらくだらない話になりました。
とりあえず「くだらない」ということだけを強調させていただきます!

そして今回、コメントを公開、非公開の選択制にさせていただきます。ご了承くださいませ。





【More】



「…前に一度投与された座薬が余程嫌だったようで、受け付けないんです。」
そう言うと、母親がハンカチで目を押さえた。父親は母親を支える。
「お願いします、もう頼れるのはデューク入江先生しかいないんです!」
父親が懇願する。

今日の呼び名はデューク入江か。ゴルゴ入江だったりいろいろ忙しいよな。

「座薬をこっそりと入れられることを防ぐため、絶対にうつぶせや横向きに寝ないんです。いつも仰向けです。ですから普通に入れることはもはや不可能です。ですが何とか先生のお力であの子に座薬を!」

いやさ、別に座薬にこだわる必要はないんじゃないかな?
他にもいろいろ薬はあるわけだし。

「…点滴とかでもいいのでは?」
僕はついポロリと漏らしてしまった。すると両親はキッと僕を睨む。
「あの子の細い腕に点滴を入れるなんて!」
「痛い思いをさせるなんて親にはできません!」

「…西垣先生は黙っているように。」
入江まで僕を睨んだ。
「…すみません。」
僕は小さくなって壁へ背中を押し付ける。


「やはり、入江先生のお力でも無理でしょうか?」
母親が涙にぬれた目を入江に向けた。
「お金に糸目はつけません。お願いします、どうか、どうかあの子に座薬を!」
父親が母親の方を抱いたまま懇願を続ける(ちなみにこの父親はかなりの財産家だ)。

入江は壁に背中をつけたまま、腕を組んで立っている。

「…分かりました、何とかやってみましょう。」
「おおっ!!」
入江の返事に、両親の顔が歓喜に輝いた。
「ありがとうございます!」
「本当に感謝します!」
「入金が確認され次第、取り掛かりましょう。」
「はい!すぐにあの口座に振り込みますので!」


絶対に尻を出さない患者に、どうやって座薬を入れるのか。
もしかしたら今度の依頼は、今までで一番難易度の高いものなのではないだろうか?
これはゴルゴ入江の全てを見届ける義務のある僕も緊張するな。



「ふむ…なるほど。」
入江の親父さんは、入江から渡されたメモを見て顎を撫でていた。
そう、ここはパンダイの社長室。
「結構難しいが、何とかなるだろう。うん、こっちも大丈夫かもしれない。」
どうやら入江の要求に応えられるらしい。息子のどんな無茶な要求もこの親父さんは全て聞き入れてくれるんだよな。そして…あり得ないものを作りだしてしまう。

「時間はどれくらいもらえるんだ?」
親父さんは入江に訊ねた。
「三日後にはすべて揃えたい。」
「三日!」
時間的に厳しいということは、親父さんの顔を見ると明らかだった。
「…他ならぬお前の頼みだ、やってみよう。」
親父さんの返答を聞くと、入江は懐から分厚い封筒(今日は封筒が3つもある)
を取り出し机に置いたのだった。



そして入江が次に向かったのは、とある店だった。
「ふぐ吉」と書かれている暖簾を入江はくぐる。

「らっしゃい!…と、直樹くんじゃねえか!」
「お邪魔します、お義父さん。」
お義父さん?そう呼ぶってことは、この威勢のいい板前さんは琴子ちゃんのお父さん?
どうやらここはふぐ料理の店らしい。ふうん、琴子ちゃんのお父さんは板さんだったのか。

「何だい、同僚さんを連れて来てくれたのかい?」
親父さんは僕を無視しなかった(なんていい人!)。
「いえ、ちょっと話があるんですが。」
「話?」
琴子ちゃんの親父さんは入江を見つめる。

「おい、ちょっとここ頼む。」
「へい!」
琴子ちゃんの親父さんは若い板前に後を頼むと、「そんじゃ、こっちへ」と僕たちを板場の裏へと連れて行った。


「これを見てもらえますか?」
おそらく板前さんたちが休憩に使う部屋なのだろう。ちゃぶ台が置かれた和室に僕たちは通された。
そしてそのちゃぶ台に入江は設計図のようなものを広げた。

「これは…。」
一目それを見るなり、琴子ちゃんの親父さんは言葉を失う。
「お義父さん…。」
「直樹くん、俺はもう板前一本で生きていくって決めたんだ。」
琴子ちゃんの親父さんは設計図を入江のほうへ押しやった。
え?どういうこと?なんかいやな予感…。

「でもこれはお義父さんにしか頼めないんです。」
「いけないよ、もう俺は…。」
「親父もこれができるのはお義父さんだけだって言ってました。」
「イリちゃんが…。」
入江が父親の名前を出すと、琴子ちゃんの親父さんの態度が変わった。

「金に糸目はつけません。」
そう言うと入江はちゃぶ台に封筒(三つ)を置いた。
「足りなければ追加します。足りない人手はどんどん追加してください。」
「だがな…。」
そう言いながらも、琴子ちゃんの親父さんは設計図に目を凝らし始めた。
「…結構なものだな、これは。」
「頼みます、お義父さんしかできない仕事なんです。」
必死で頼む入江。
うーん、やっぱりここは婿なんだなあ。
パンダイの親父さんへの頼み方より、かなり丁寧だ。

「分かった、直樹くんの頼みだからな。」
そして琴子ちゃんの親父さんはそんな婿の頼みを聞き入れた。

「で、確認したいことがあるんだけど。」
それから琴子ちゃんの親父さんと入江は打ち合わせを始めた。
一度は僕の存在を認めてくれた親父さんだが、今はもう眼中にない。
うん、大丈夫だよ。もう無視されるのはすっかり慣れっこだからね。

「警備員は…」「夜勤の看護師は…」と、物騒なことを平然と言い合う二人を見ながら、僕は部屋に放置されていた釣り雑誌をパラパラとめくっていた…。



「お話は分かりましたわ、入江先生。」
オカマたちが踊りまくっているオカマバーで、桔梗くんは妖艶な笑みをこぼした。
「私が動かせば問題はないと思います。」
「そうか。」
「ただ問題が一つ。」
今日は休みだという桔梗くんの爪は真っ赤に塗られている。その指を彼…彼女は立てた。
「その子、アタシに全然懐いていないんです。いつも顔見るなり“あ、髭が生えてる!”って嘘つくんですよ?アタシはちゃんと朝昼晩と三回剃っているってのに。」
…剃ってるんだ、やっぱり。
そりゃそうだよね、見た目女でも中身は男だもんな。

「だからアタシが言っても、この点は言うことを聞かない気が。」
桔梗くんは「ふう」とため息をついた。
こればかりは入江が大金を放出しても無理らしい。

「…仕方がない。」
入江は手を振ってくるオカマ達を完全に無視している。
くそっ、こいつはオカマまで魅了するのか!

「どうします?」
「…琴子を使おう。」

「ええ!?」
僕は思わず声を上げてしまった。が、周囲の音がうるさいためにすぐにかき消された。
「それいい方法ですね。それなら大丈夫だわ。」
桔梗くんは頷く。


「なあなあ、入江。」
桔梗くんが帰った後、僕は入江に訊ねた。
「何です?」
「前から聞きたかったんだけど、琴子ちゃんってお前のやってること、知ってるの?」」
「知るわけないでしょう、教えてないし。」
冷たい入江の返事。
「今回も何も教えるつもりはないので。」
余計なことを耳に入れるなと入江は僕に釘をさすことを忘れない。
「何で教えないの?琴子ちゃんは奥さんじゃんか。」
入江は「面倒くさい人だ」と言いつつ、答えた。
「琴子の前で俺は、クリーンなイメージを保ちたいんです。」
「クリーンなイメージ…。」
てことは、実際はダークなイメージを持っていることは自覚しているんだな、お前。

そしていよいよ、座薬作戦が決行される日がやってきた!

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