日々草子 研ぐ後輩
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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研ぐ後輩











孤立無援状態で、今日は僕も頑張って生きている。
あの自称臆病な後輩の謎を全て掴むまでは、どんなひどい目に遭おうが耐える覚悟だ。

何と、神様も日々頑張る僕に力を貸してくれた。

「…ここ、いいですか。」
食堂できつねうどんをすすりながら、明日また入江に極秘の依頼が入っていたなあと思いだしていた僕は顔を上げた。
「ああ、船津くん。久しぶりだね。」
「ご無沙汰しています。」
彼は船津くん。入江の同期だ。

「あの西垣先生。」
「何だい?」
僕はちゅるんと麺をすする。
どうでもいい話題だが、船津くんが食べているのはナポリタンだった。

「入江のことなんですけれど。」
「入江?」
僕はついキョロキョロと周囲を見回した。
時間が取れるうちに食べに来たからか。まだそんなに混み合ってはいない。



「…入江がどうかした?」
だが油断は禁物だ。僕は声を潜めた。
いや、もしかして船津くんは新たな刺客なのではないかもしれない。
船津くんにも警戒心を抱く僕。あーあ、あいつのせいですっかり人間不信だよ。

「入江って、何か隠していると思いませんか?」
船津くんはナポリタンに手をつけずに、言った。
「何か?」
ええ、そりゃあもう。沢山隠していますよと声を大にして叫びたい気持ちをグッと堪える僕。

「分からないんですが、どうもあいつは怪しいと思うんです。」
「どんな風に?」
もう怪しさが服を着て歩いているもんだけどね。
バファリンは優しさからできているけど、入江直樹は怪しさでできていると僕は思ってるよ。

「何か変な患者ばかり診てますし。それに手術が終わったら患者の様子を見に行くこともしない。医局で突然ラジオをつける…。」

そうそう!!
それは僕が経験した全てだよ、船津くん!!

「西垣先生から見てもあいつって…。」
僕は船津くんに最後まで言わせずに、手を握りしめた。

「船津くん!」
「は、はい?」
僕は握る手に力をこめた。

やっと、やっと僕の同志が現れた!!

「そうだよ、入江は怪しい。」
「ですよね?」
船津くんも同じ意見の人間を見つけた喜びで目を輝かせた。
「ああ、まともな人間の目からはあいつは怪しさMAXだよ!」
「はい!」
「二人であいつの正体を明かそうじゃないか!」
「勿論です、先生!」

ここに僕たちは同盟を結んだ。


「船津先生。」
これから入江についての作戦を練ろうとした時にやってきたのは。

「真里奈さん!」
品川くんだった。品川くんに長年報われない片想いをしている船津くんは笑顔を向ける。
「どうしたんですか?」
「さあさあ」と船津くんは隣の椅子を品川くんに勧めた。

「あの、今度の日曜日って先生、お暇ですか?」
品川くんは大きなバストをムギュッと船津くんの体に押し付ける。
…僕にも押し付ける気はないかい?
「日曜日はええと…論文を。」

ああ、船津くん!
だめだよ、女の誘いを断ったりしては!
しかも意中の子じゃないか!

「そうですか。」
品川くんはしょんぼりとしてしまった。
「どうかしたんですか?」
どうかしたんですか、じゃないよ!
君が野暮な返事をするからだろ、この朴念仁!

「あの実は…。」
品川くんは何と胸元に手を突っ込んだ。
おいおい、ここは病院だぞ?
勿論、船津くんの顔は真っ赤だ。

「これが手に入ったので、一緒にどうかと思って。」
品川くんが胸元から出したのは、映画のチケットだった。
何でそんな所に隠す必要が?

「でも先生、お忙しいんですよね?」
「そんなことありません!」
船津くんが立ちあがり叫んだ。

「論文なんてどうだっていい!行きましょう!」

そうそう、行け、行くんだ、船津!!

「うれしい!」
品川くんはバストを触った手で、船津くんの手を握る。
ああ、もう船津くんは沸騰状態だ。

…ちょっと待てよ?
品川くんって、こんなに船津くんに優しかったか?
学生時代からつれないって有名だったような。

「待て、船津くん!!」
僕は思わず立ち上がった。
「これは罠だ!!」
「わ、罠?」
品川くんに手を握りしめられたまま、船津くんが僕を見る。
「そうだ、これはあいつの罠だ!品川くんは刺客だ!」
絶対そうだ。
入江がまた大金を掴んで手を回したに違いない!

「ひどい、西垣先生。」
品川くんは目に涙を浮かべる。
だから君はそんなキャラじゃないって!

「あたしが刺客だなんて…。」
「西垣先生。」
船津くんが僕を睨んだ。
「真里奈さんが可哀想じゃないですか!」
「だから彼女は入江の…。」
「ひどいわ、先生!」
品川くんはテーブルに突っ伏して泣き出してしまった。
だから君、そんなキャラじゃないでしょうって!

「行きましょう、真里奈さん。西垣先生は変なんです。」
ちょっと待てえ!!
君、さっきまで僕と同盟結んでいたじゃないか!

「入江先生も言ってたわ。最近西垣先生の妄想癖が強くなったって。」
「ああ、やっぱり。僕もつい妄想に引きずり込まれるところでした。」
だから、最初に話を持ち込んだのは船津、お前だろうが!!



「…余計な探りを入れるからですよ。」
医局で僕は入江に品川くんのことを追及した。
すると案の定、このような返事だった。

「やっぱり品川くんはお前の手先だったのか!」
「人聞きの悪い。」
入江はツンと顔を背けると、メスを研ぎ始める。
…それ、そうやって研ぐものだっけ?

「大体、あなたと品川、どっちを船津が選ぶかなんて分かりきったことでしょう?」
「だから彼女まで丸めこんだのか!」
「好きに想像して下さって結構です。」

くそっ!!
その後、船津くんは「入江のことを調べなければまたデートする」と品川くんに言われたらしく、僕にあの話を口にすることはなかった。

そりゃあそうだよな。
誰だってこんな怪しい後輩の謎を探るよりも、女と遊ぶ方がいいに決まってる。
僕だって琴子ちゃんがさ、あの可愛い顔で、しかもスッポンポンで「西垣先生、早く~」なんて誘われたりしたら…。


ドスッ、ドスッ、ドスッ!

ちょっと琴子ちゃんの裸体を想像したら、僕の頭、肩それぞれのすぐ上に刺さっていたのは…何とメスだった!

「今、琴子の裸体を想像したでしょう?」
お前、エスパーかよっ!!

「想像くらいいいだろ。見たことないんだし…。」
と言いかけたら、

ドスッ!

「ひぃぃぃぃっ!」

今度は僕の足の間、股の所にメスが!!

「…まだ想像します?」
入江はペンを回すかのように、メスをクルクルと回している。

「想像しませんっ!!」
僕はそう答えるのが精一杯だった。

「…研ぎがまだ甘いな。」
入江は呟くと、またメスを研ぎ始めた。

シャッ、シャッ、シャッ…。

不気味な研ぎ音を耳にしながら僕は、そうっと股の所のメスを引っこ抜いた…。




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