日々草子 BIRTHDAY PRESENT 下
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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BIRTHDAY PRESENT 下




「先生…。」
痛みが出てきたのか、コトリーナは苦しそうに顔をゆがめていた。
が、ナオキヴィッチの顔を見て笑顔を見せる。

「コトリーナ…。」
ナオキヴィッチはコトリーナの傍に座り、その手をしっかりと握った。
そして医者が来られないこと、代わりに自分が取り上げることを話して聞かせた。

コトリーナは医者が来られないということに驚いた様子だったが、後は冷静にナオキヴィッチの話を聞いていた。

「…どうする、コトリーナ?俺に任せてくれるか?」
ナオキヴィッチは緊張を覚えながら、コトリーナに最終判断を任せた。
産むのはコトリーナなのである。コトリーナが安心できる状態ではないと、うまくいくものも失敗してしまう可能性がある。

「先生…。」
コトリーナは息を吐きながら、ナオキヴィッチを見た。

「…ジュゲムちゃんの顔、先生と一緒に見られるのね?」
「コトリーナ…。」
「よかった。私が最初にジュゲムちゃんの顔を見てしまうのは申し訳ないと思ってたの。先生と同時に見られるなんて、すごく幸せ。」
それがコトリーナの答えだった。

ナオキヴィッチは安堵し、コトリーナにキスをする。
「大丈夫だ。二人で一緒にジュゲムを迎えるぞ。」
「はい。」
コトリーナは頷くと、すぐにまた痛みを堪える顔に戻った。



「それでは準備を!」
モッティが叫んだ。
「二番!!」
「はいっ!!」
いつもと違う呼び方、それも一番嫌いな呼び方をされていることに気づかずシップは背筋を伸ばす。
「二番は家中のタオルを探してくる!」
「は、はい!!」
シップは転がるようにタオルを集めに走って行った。

「そしてエロ!!」
「はいっ!」
これもすごい呼び方をされていることに気がつかない男爵。
というより、どんな呼び方をしているかモッティ自身も気が付いていないだろう。
それだけ緊張している証拠である。

「エロは台所でお湯をどんどん沸かして!!とにかくたくさん!!」
「はいっ!!」
男爵は上着を脱ぎ、台所へと消えた。



「大丈夫ですよ、コトリーナちゃん。」
コトリーナの額に浮かぶ汗を、懸命にノーリー夫人が拭く。
「大丈夫、ナオキヴィッチ様は何でもできますから。」
「はい…おばさま。」
コトリーナは弱々しく笑った。

そのナオキヴィッチは子宮口の確認をしている。

「先生…。」
ナオキヴィッチをコトリーナが呼んだ。
「何だ?」
「…もしもの時は、ジュゲムちゃんを。」
「バカか、お前は。」
ナオキヴィッチはコトリーナにまたキスを落とした。

「ふざけたことを言うと、またキスしてやるから。」
笑うナオキヴィッチに、コトリーナも笑い返す。
「嬉しい。先生にいっぱいキスしてもらえて。」
「何度でもしてやるよ。」
ナオキヴィッチはまたコトリーナにキスをする。
これでコトリーナが落ち着くのなら、お安いものである。



「モッティさん、タオル!!」
「御苦労さま!」
家中からかき集めたタオルをシップから渡されると、モッティはそれを寝室へと運んだ。

一方、台所では男爵が汗まみれになってお湯を沸かし続けている。
「大丈夫だろうか…。」
いつもはふざけてばかりの男爵も、今日ばかりはその影がひそめられている。
「よし、考えている暇はない。どんどん沸かさないと。」
そして男爵は普段したこともない仕事を懸命に続けていた。


お湯もたっぷり沸かし終え、疲れきった体を引きずりながら男爵は客間の前にやって来た。
そこにはぐったりとしているシップが座り込んでいる。

「シップ、どうした?大丈夫か?」
男爵の呼びかけに、シップが顔を上げる。

その時。

「しっかり、コトリーナちゃん!!」
「奥様、気を確かに!!」
という大声が客間から聞こえてきた。

「まだだ、まだ我慢しろ、コトリーナ!!」
ナオキヴィッチの声も続く。

その迫力に、シップと男爵は思わず手を握り合った。

「な、何だ、これは…一体…。」
未婚である男爵は、出産の現場は初めてだった。それはシップも同様である。
「もう…怖くて…中で何が起きているのか…。」
シップは先程から聞こえる声に怯えきっていた。

「だめです、奥様!まだ我慢して!」
「コトリーナちゃん、しっかり!!」
「コトリーナ、耐えろ!!」

そしてコトリーナの苦しげな声が後に続く。

「い、一体…どれほど辛いんだろうねえ…出産って。」
「…想像もしたくありません。」
シップと男爵は抱き合いながら、客間のドアを見つめる。



やがて、その時がやって来た。

「よし、コトリーナ!おもいきり、りきめ!!」
ナオキヴィッチが叫ぶ。
「奥様、私につかまって!!」
見た目は女性だが体つきは男性のモッティが腕を差し出した。
「いくら爪を立てても大丈夫ですわ!思い切りつかまって!!」
コトリーナは意識朦朧としながら、モッティの手につかまった。
ノーリー夫人はコトリーナの汗を拭き続ける。

「だめだ、もう一度!!」
なかなか出て来ない。ナオキヴィッチはコトリーナに声をかけた。
「もう一度、頑張れ!」
「う…ううっ…!!」
コトリーナは歯を食いしばりながら、懸命にりきむ。
「奥様、まだまだ!まだ力が入ってませんよ!!」
かなり腕は痛むのだが、モッティはわざとそう言ってコトリーナをもっとりきませようとしている。

「頑張って、コトリーナちゃん!」
ノーリー夫人が励ます。
「コトリーナ、しっかり!!」
ナオキヴィッチも汗まみれになっている。



そして廊下では、シップと男爵が祈っている。
「どうか、どうか無事に生まれますように。」
「神様、お願いします。」
二人は一心不乱に祈り続けている。自分たちにできることはこれしかない。


「いいぞ、頭が見えてきた!」
ナオキヴィッチが叫んだ。
「その調子だ、もう少しだ!」
コトリーナはナオキヴィッチの声を遠くに聞きながら、懸命にりきんだ。



オギャア…。

泣き声が聞こえた。

オギャア、オギャア、オギャア!!!

最初は弱々しかったその声が、瞬く間に大きな声になった。


「生まれた!!」
廊下まで届くその声に、祈っていたシップと男爵は顔を見合わせる。
「生まれたぞ、シップ!!」
「生まれましたね、男爵様!!」
二人は抱き合って、涙を流さんばかりに喜びあった。



「コトリーナ。」
清潔なタオルに包まれた赤ちゃんを、ナオキヴィッチがコトリーナの元に連れてきた。
「俺たちのジュゲムだよ…。」
コトリーナは赤ちゃんの顔を覗いた。
「ジュゲムちゃん…。」
コトリーナの目から涙があふれる。

「やっと会えたのね…ジュゲムちゃん…。」
「ああ…やっと会えたよ。」
ナオキヴィッチに抱かれたジュゲムに、コトリーナはそっと手を伸ばし、その少ない髪の毛を撫でた。

「ジュゲム…お母様だよ。」
ナオキヴィッチが優しくジュゲムに話しかける。
「お前を一生懸命産んでくれたお母様だ。」
「ジュゲムちゃん…あなたを取り上げてくれたお父様ですよ。」
お互いでお互いをジュゲムに紹介する二人。

その様子を、少し離れた場所からノーリー夫人とモッティが嬉しそうに見ている。



ナオキヴィッチはコトリーナにジュゲムを抱かせた。
「私たちの所に来てくれてありがとう、ジュゲムちゃん。」
コトリーナはジュゲムに頬ずりをする。
それを優しく見守るナオキヴィッチ。

「コトリーナ。」
ナオキヴィッチはコトリーナの額、口、頬にキスを落とした。

「…最高のバースデープレゼントをありがとう。」
「先生…。」
「これ以上、嬉しいプレゼントはないよ。」
ナオキヴィッチはコトリーナを抱きしめた。
「お前は俺の最高の奥さんだ。」
「先生…嬉しい…。」
涙を流し続けるコトリーナ。その涙をナオキヴィッチは口で吸った。

「先生、お誕生日おめでとう。言うのが遅くなってごめんなさい。」
笑顔のコトリーナに、ナオキヴィッチはまたキスをした。



「さあ、イーリエ公爵家の新しい一員、ジュゲムちゃんですよ。」
客間の外にノーリー夫人がジュゲムを連れてきた。
待っていた男爵とシップがその顔を覗きこむ。

「可愛いなあ。」
お世辞ではなく、本心から男爵が言った。
「俺とコトリーナの子なんです、当然でしょう。」
ナオキヴィッチの言葉に、
「早速、親ばかか。」
と男爵は笑った。

「おや、いつの間に…。」
シップが窓の外を見た。
いつの間にか雨が上がっていた。夜になっており、星が輝いている。

「ジュゲムちゃんが嵐をどこかへ追いやってくれたんですよ。」
ノーリー夫人が嬉しそうに話す。
「念のために、医者を呼んだ方がいいな。」
無事に生まれたとはいえ、きちんと医者に診てもらった方がいい。
「それじゃあ、僕の馬車で送ろう、シップ。」
医者を迎えに行くというシップに男爵が声をかけた。



ナオキヴィッチの処置は見事なものだと、医者が舌を巻くほどたった。
「どうだい、これから医者にならないか?」
医者の誘いを断ることが大変だったナオキヴィッチ。
勿論、コトリーナとジュゲムも何の問題もなかった。



「さて、私たちも休みましょうか。」
全てが終わり、どっと疲れた出たノーリー夫人がモッティに声をかける。
シップと男爵はすでに居間の長椅子で眠りこけていた。

休む前にコトリーナ達の様子を見ようと、二人は客間へ足を向ける。
ナオキヴィッチもそろそろ休む頃だろう。

「あらあら…。」
ドアを開けたノーリー夫人は笑った。
「まあ…。」
モッティも思わず笑みをこぼす。

客間では二階から運んできたベビーベッドで、ジュゲムがすやすやと眠っている。
そしてその傍のベッドでは…。

「ナオキヴィッチ様ったら、もう一台ベッドがあるのに。」
客間にはもう一台ベッドがあるにもかかわらず、眠っているコトリーナに腕枕をしながら、ナオキヴィッチがぴったりと寄り添って眠っていたのである。

「明日は目が覚めるまで起こさないようにしましょうね。」
「そうですね。」

ノーリー夫人とモッティはそっと客間のドアを閉めた。









☆あとがき
やっとジュゲムちゃん生まれました~!!
少し前からこのエピソードは考えていたのですが、入江くんの誕生日にくっつけたらいいんじゃないかと思って、こんな形にしてみました。

…一個くらい、こんなエピソードがあってもいいでしょう(笑)
さ、他のサイト様へ素敵なお話を読みに出かけてきま~す!!

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コメント

本名もジュゲムちゃん?笑

今更ながら、入江くんBIRTHDAY記念更新ありがとうございました。ナオキヴィッチ様ご夫妻のご登場でしたか!
ナオキヴィッチ様&ジュゲムちゃんHappyBirthday!!
それにしても、お父様と同じ日の同じ天候で、お母様のパワーまで兼ね備えちゃったら、『ジュゲムちゃんの向かう処 敵なし』で、将来有望?!色んな意味で、お父様を超える大人物になったりして?!笑
名前も、ジュゲムちゃんに決定ですか?ふふ。

皆様考えることは同じ?

わたくしもベビーの名前はジュゲムちゃんに決まったのかと思ってました^^;

嵐の中の陣痛、医者が間に合わず自分でとりあげるナオキビッチ!事前に知識を得ているところが凄い^^;

コメントありがとうございます。

REEさん
そうなんですよ、同じ日に御誕生させてみちゃいました(笑)
入江くんはなんかすごい日に生まれたような感じがして(笑)
最初「嵐を呼ぶ赤ちゃん」というタイトルにしようかと思ったのですが、それだと某アニメのサブタイトルになりそうなので(笑)
本当にジュゲムちゃん、向うところ敵なしですよ!
あ、名前ですか?
それはまだ未定です~(笑)
でも呼び名としてずっと定着すると思います。

ちぇるしぃさん
いえいえ、名前は別につけるかもしれませんが…ジュゲムちゃんっていう呼び名が結構自分でも気に入ってしまったので。
ナオキヴィッチ、どこまで用意周到なんでしょうかね!
彼にできないことはないのではないでしょうか。

拍手コメントありがとうございます。

いたさん
そうなんですよ、地味な話になってしまいました。
でも当日にアップできたのって、この話が初めてではないでしょうか?だから大丈夫です!過ぎてもコメント下さってありがとうございます!
両親に深く愛されることは間違いないでしょうね。
特にナオキヴィッチはすごくデレデレなパパになりそうですよね。マタニティなコトリーナちゃんにもあんなに過保護だったんですから!
男爵はやっぱり、お仕置きされていると思いますよ!

るんるんさん
ジュゲムちゃん、ひっそりと誕生です(笑)
でもこの先が浮かばないんですよね~。とりあえずナオキヴィッチがすごいデレデレになることは決定なんですが!
あとはジュゲムちゃんにちょっとヤキモチやいちゃうナオキヴィッチとかでしょうか?
浮かんだら書いてみます!

佑さん
ありがとうございます!
ジュゲムちゃん、名前に続いて性別も未定(笑)
名前、カタカナだしな~考えるのが難しいという理由です(汗)

ルルさん
ありがとうございます!
こんなバースデーストーリーでいいのだろうかと不安でしたので、嬉しいです!

ら~ゆさん
うわ、そんなに期待していただいて、このようなお話で何か申し訳ないです!!
そうです、コトリーナちゃんの出産がまだだったんですよ~。
ご懐妊発覚からちょうど月日も計算が合って、こっちもラッキーでした!
面白味のないコメントなんてとんでもないです。
ちゃんといつも、私のツボを押さえて下さっている面白いコメントをいつもありがとうございます!

あやみくママさん
ナオキヴィッチの喜びはひとしおでしょうね!
愛するコトリーナちゃんが産んでくれた我が子が、自分と同じ日に生まれたんですから。
来年の誕生日はそれはもう、盛大なパーティーが開かれることでしょう。
ジュゲムちゃんの性別、このまま未定で突っ走ろうと思っていたりします(笑)

紀子ママさん
その呼び方は、いつか書こう、書こうと思ってました!
それだけモッティも逆上してたということで。
しかも本人たち、全く気が付いていませんし!
本当はもっとラブラブな誕生日エピソードを書ければよかったのですが…でも一つくらいはこんな話が混ざっていてもいいかなと思って!

拍手コメントありがとうございます。

Foxさん
そうですよ、やっとジュゲムちゃん誕生です!!
余興以上になりましたか?すごく嬉しいです。
ナオキヴィッチが取り上げることは最初から考えていたので、いつ出そうと跡はタイミングを考えておりました。
本当に入江くんの誕生日は色々なお話が他サイト様でアップされているので…こんなものでどうだろうかと不安でした。
ありがとうございます!

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