日々草子 月読みの光に来ませ 12
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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余程疲れていたのか、なかなか琴子の枕は上がらない。
その間毎日直樹は琴子の元へ足を運び、時には泊り込んで傍についていた。
自分だけが琴子の置かれていた境遇を知らなかったことについてのわだかまりは解けないままであったが、それを病人へ問い質すほど、直樹も愚かではない。

「お兄様…。お兄様…。」
うわ言で何度も琴子は直樹を呼んだ。その度に直樹は琴子の手をしっかりと握り、その額に浮かぶ汗を拭ってやった。
「俺はここにいるから。」
名前を呼ばれる度に直樹がそう答えると、琴子は安心したかのようにまた眠りに落ちて行く。
さすがに寝所にまでは鴨狩帝が足を運ぶことはなかった。そこは妃と女官の違いだろう。
なので、直樹は安堵して琴子の看病をすることができた。

その夜遅く、看病疲れから直樹は、琴子の傍でうとうととしかけていた。
「…?」
眠りに落ちそうになった直樹は、袖が動いたことに気がつき、目を開ける。
「お兄様…。」
見ると琴子がとろんとした目で直樹を見上げていた。
「…目が覚めたのか?」
コクンと頷く琴子。直樹は周囲を見る。女房たちは俯いてしまっている。どうやら眠ってしまったらしい。

「お兄様も皆も…私のせいで疲れているのですね。」
「ごめんなさい」と琴子は謝る。
「バカだな、お前は。」
女房たちを起こさないようにしたいことと、そして邪魔をされたくないという二つの気持ちから直樹は声を潜める。
「病気の時くらい、何も気にしないで寝てればいいんだよ。」
「でも…お兄様、御公務は?」
「大丈夫。今度のことでは主上もお前に悪いと仰せになって、傍に俺がいることを許して下さったから。」
「まあ…主上にまでご迷惑をかけてしまったのですね…。」
「だから気にするなって言っただろ?」
病人相手に直樹は思わず琴子の頭を小突いてしまう。
そして小突いた所を撫で、そのまま額に手を下ろす。汗ではりついてしまった前髪を優しい仕草で直樹は直してやりながら、
「お前は思う存分、俺に甘えていいんだから。」
と話した。
そう、琴子が甘えていいのは自分だけ。そう言い聞かせるように。

「お兄様が優しくて…怖い…。」
疑い深い目で琴子は直樹を見る。その様子に直樹は「ぷっ」と噴き出した。
「余程俺は酷い夫なんだな。」
「あ、いえ、そういうわけじゃ。」
慌てる琴子に直樹は笑い声が響かぬよう、袖で口を押さえ肩を震わせる。
それを見た琴子の顔にも笑顔が広がった。

「琴子。」
直樹は懐に手を入れた。そこから出したのは琴子と交換した貝だった。

「持っていて下さったんですね。」
「ああ。」
一時は捨てろと命じたものだった。
命じられた女房がやはり捨てることができずに保管しておいたものである。捨てずにいてくれたことを直樹は感謝し、再び持ち歩いていた。
「これはお前と初めて迎えた朝に眺めた、思い入れのあるものだからな。」
「初めて…。」
琴子の顔が熱のせいではない理由で赤くなる。
「あ、熱が上がったか?」
直樹は琴子が赤くなった理由を知りつつ、わざと手を額に置いた。
「何だ、下がってるじゃないか。」
ニヤリと笑った直樹に向かい、琴子は頬を膨らませた。
「…知りません。」
その尖らせている唇を、直樹が捉える。

「…うつっちゃう。」
唇が離れた後、琴子は直樹を気遣わしげに見つめた。
「風邪だったら、人にうつした方が早く治るって言うし。でもお前の病は風邪じゃないしな。」
だから問題ないと、直樹はまた琴子の唇に自分の唇を重ねる。その手は琴子が逃げないよう、しっかりと両頬を押さえている。

「早くよくなって、また貝合わせをしたいな。」
「私も。今度は負けませんよ?」
いつも琴子は直樹と貝合わせをやると負けてしまう。
「いや…。」
直樹はニッと笑った。
「勝ち負け関係ない貝合わせの方。」
「勝ち負け関係ない…?」
キョトンとする琴子。直樹の言葉の意味がよく理解できないらしい。
そんな琴子の耳元に、直樹は貝合わせの意味することを教えた。琴子の顔がまた真っ赤に染まる。
「…お兄様ってそんなことばかり仰る!」
プイと横を向いてしまった琴子。
「もう治りません。治らなくてもいいもん。」
「バカだな、お前は本当に。」
直樹は笑って覆いかぶさるように、向きを変えた琴子の前に顔を出した。
「俺がそれくらい、お前が愛しいって分かれよ。」
「…。」
素直すぎる直樹の告白に、琴子は答えることができない。
「…です。」
「え?」
籠った琴子の声が聞こえたが、何と言っているかは直樹には分からなかった。
「悪い、もう一度…。」
「…私もお兄様の赤ちゃんを産みたいです。」
直樹の告白に何と返していいか、琴子なりに考えたのだろう。
「…恥ずかしい。」
自分で口にしておきながら琴子は恥ずかしさのあまり、すっぽりと布団の中に潜ってしまった。
「ほら、出て来い。また熱が上がるぞ。」
直樹は嬉しくなった。本当に琴子の顔を見れば自分の憂いはすぐに消えてしまう。
「知らない、知らない。」
琴子は赤ん坊のようになってしまった。
「ほら、出て来いってば。」
「知りません。もう恥ずかしい。」

直樹の看病の甲斐あって、琴子がようやく床上げをしたのはそれから三日後のことだった ――。



琴子は鴨狩帝に、迷惑をかけたことを詫びるため、清涼殿に参上していた。
「よくなってよかった。」
帝は心からホッとしていた。
「一時は心配したが…。」
「本当にご迷惑をおかけしました。」
今後は一層、公務に励むと頭を下げる琴子。

直樹が一喝したおかげで、承香殿の女御側の嫌がらせはピタリと止んでいた。おかげで琴子は安心して後宮を歩くことができるようになっていた。
そして直樹の手厚い看病。
病になったことは辛かったが、これがきっかけで直樹との愛が深まった気がする。
今の琴子は幸福の絶頂といっても過言ではない。

そんな琴子の気持ちが外にも表れているのだろうか。
鴨狩帝が久しぶりに見た琴子の顔は晴れやかで、面やつれしているところがまた何とも言えないものだと感じる。

「…中納言に看病してもらっていたとか?」
「…はい。」
恥ずかしそうに琴子は頷いた。それを見た帝の心はさざ波が立つ。
本当なら自分が看病したかった。しかし身分柄、そのようなことはできない。
そして…琴子の夫である直樹を帝はこの時ほど恨めしく思ったことはなかった。

「いかがなさいました?」
琴子はそんな帝を気遣った。帝は琴子の顔をじっと見つめる。
「…お疲れでございますか?碁でも打ちましょうか?」
自分は忙しい帝のくつろぎの相手としてここにいる。琴子はそう信じている。
「いや…。」
「では?」
もしや帝まで病かと、琴子は不安になる。
「薬師を呼びましょうか。」
帝が琴子と心からくつろぎたいと、二人が会う時はいつも人払いがされていた。琴子は慌てて外に控えている女房を呼ぼうとする。

その手を琴子は帝はしっかりと掴んだ。
そしてそのまま、その手を引き、帝は軽々と琴子を抱き上げる。
「え?あ、あの?主上?」
突然の帝の行動に琴子は戸惑うばかりである。しかしそんな琴子に何も言わず、帝はそのまま部屋の中を進んで行く。

部屋から出た所には、帝に仕える女官が数名控えていた。
琴子を抱き上げて現れた帝の姿に、女官たちも驚きの表情を見せる。
「誰も来ないように。」
そう命じて帝が琴子と連れて向かったのは…夜の御殿、帝の寝所であった。

帝は琴子を御寝台に下ろした。

「あ、あの…。」
琴子は自分を落ち着かせようとした。大丈夫、帝は自分が夫ある身だと分かっているはず。

一方、帝はどうしたらいいか分からずに戸惑っている琴子を見て、ますます愛が募っていくことに気が付いていた。

―― どうして、この女人が自分のものじゃないんだろうか。

理不尽さがあふれてくる。

「…お話でも、しましょうか?」
とりあえずいつもどおり。場所が変っただけだと自分に言い聞かせ、琴子は平常な態度を見せようと笑顔を作った。

「琴子…。」
「え?」
突然名前を呼ばれた琴子は驚く。いつも「尚侍」と呼ぶのに…。
そして帝の手が琴子の頬に伸びたかと思うと…琴子は帝の唇の感触を、自分の唇で受け止めていたのだった ――。










続きを待っていて下さった皆様(がいらしたら)、お待たせいたしました!
前半はまたもや意味もない、ストーリー展開いるの?と突っ込まれても仕方がない二人のイチャイチャぶりにしてみました。
その分、後半はちょっとドキドキしていただけたらいいなあと思いつつ。←前半無駄にイチャイチャしていた分、衝撃も少しは感じてもらえるんじゃないかというせこい魂胆です(笑)

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コメント

水玉さま。いつも楽しくお話を読ませていただいでます。更新ありがとうございます!めちゃめちゃ待ってました!更新されてるかな?って1日何度もお邪魔しちゃってました(笑)この先どうなるのかドキドキです!!直樹助けにきてー(>д<)(>д<)水玉さまのお話は表も裏も本当に全部大好きです!何度も何度も読み返してます!私の元気の活力デス。本当にありがとうございます。これからも水玉さまのいいペースで頑張ってくださいね☆ドキドキで仕事が手につきません(笑)また更新おねがいします。

ちぃさん、ありがとうございます!!

ありがとうございます!!
もう、続きを楽しみに何度も足を運んで下さるちぃさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
ちょっと本当にこの話は、「あ~なんでもっと上手に書けないんだろう!!」とわめきながら書いているので。
そんなちィさんのコメントが私の活力のもとです!!
本当にありがとうございます!!

拍手コメントありがとうございます。

拍手コメントありがとうございます。

あけみさん
いや、骨身を削るなんてそんな!!(笑)
ただ自分の下手さに泣きつつ書いていますが(笑)
だから催促のお声を頂けるのは、本当に嬉しいです。
もう、これ読んで下さる方、どう思われているんだろう…って本当に自分が情けなくてたまらないので。
というわけで、嫉妬炸裂序章をお楽しみいただけたらと思います。

ぴくもんさん
「お前はオタク部か」という、自分への突っ込みに受けました!!
「ゲヘヘ」って、もうそんなキャラじゃないでしょうに、ぴくもんさんったら。
唇を奪わせようかどうしようか迷ったのですが、それくらいさせないと、しまりのない話になるかなあと思って。
興奮していただけて何よりです、ハイ。
いや~前半無駄にイチャイチャさせた甲斐がありますたよ!!

みづきさん
間違いじゃないですよ~(笑)
今回は初めからキスくらいさせてやれと思っていたので。
ああ、皆さんの反応が楽しくてたらまない…。
続き、楽しんでいただけたでしょうか?

紀子ママさん
とりつく…でも入江くんの眼光は生き霊すら跳ね返しそうな気がします。
でもちょっと紀子ママさんの生き霊ならとりつかれてみたいかも。
琴子ちゃんを尼寺に避難…そこなら確かに男性は入れないから安心ですけれどねえ。

ひろりんさん
前半は入江くんの優しさ全開な所を書いて、後半にそれを裏切るような出来事をという感じにしてみました。
悪いのは琴子ちゃんじゃないんですけれどね。
こんな所に連れ込まれたら、そりゃあ何もできないのが当たり前ですし。
でも琴子ちゃんの立場はますます危ういものになることは間違いないでしょうね…。

まあちさん
はまってくれてありがとうございます!!
もうこんなセコい策を考えている自分が何とも…(笑)
どこからともなく現れる入江くんって、それはオタク部の入江くんだから!!
密室に連れ込まれるって、ちょっとドキドキしませんか?
うーん、これがあっちだったら…もう寸前まで進ませるところだったんだけど!!

がっちゃんさん
全力でラブラブが必要…確かにそうですよね!!!
というわけで、嵐の前の静けさじゃないですが、おもいきりイチャイチャさせてみました。
これからしばらく二人のラブラブはお預けになりますしね…。
落ち着かないがっちゃんさんを想像すると、微笑ましいです♪

佑さん
壊れる入江くん…もう、それが楽しみなくせに!!
でも佑さんは、うちの琴子ちゃんは何をしてもきっと最後まで琴子ちゃんの味方でいてくれると思うから、安心しています♪

Foxさん
コーヒーキャンディ…そんなものじゃ足りない!!ってくらいのテイストに仕上げたいのが本音です(笑)
久しぶりに二人のイチャイチャが書けて、それはそれで楽しかったです。
さて、私もパワーを充電したところで頑張るか、よっこらしょっと。

ぴろりおさん
ありがとうございます!!
『赤い衝撃』…タイトルと出ていた人たちは知っています。
これかどうかわからないですが、この赤いシリーズを、数年前に綾瀬はるかちゃんとかホリプロ集団がリメイクしていた記憶が…。
当然、直樹には気が付いてもらわないとこの先面白くないので…!!

祐樹'Sママさん
すみません。やはりお怒りコメントは楽しいです(笑)
「どんどん怒って~」という気分でいっぱいです(笑)
お体いかがですか?本当に最近は具合を悪くする人多いみたいで…。
祐樹'Sママさんはリボビタン派なんですね。私はチオビタゴールド派です。
これ、一箱買うと三本分おまけについてくるところがお得感を感じて(笑)
多分、数少ない琴子ちゃん可哀想と思うグループですよ、祐樹’Sママさん…。

ダブル嫉妬の果てに・・・

  こんにちは
 琴子の赤チャンを産みたい気持ちが直樹に伝わり、よかったと思うのもつかの間に・・・主君の今まで押し殺した気持ちの嫉妬爆発Kiss ・・・絶対に波乱の幕開けは避けられず直樹の嫉妬が・・・すざましいぃ~と想うので琴子大丈夫?不安です。

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