日々草子 コトリンを救い出せ! 中

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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「…入江くんが迎えに来てくれない。」
教室でぼやく琴子を、親友二人は冷めた目で見る。
「そんなに会いたければ帰ればいいじゃない。」
「そうそう。住み込みなんて今どきはやらないって。」
「いいや!!」
琴子は机を拳でバンと叩いた。
「ここで折れたら、あたしはずっとこの先も入江くんに頭が上がらなくなる!」
「だったら愚痴こぼさないでよ。」
「そうよ、そうよ。」
「いやいや、その気持ち分かるよ、うん。」
自分たち以外の声が聞こえたことに、琴子たちは顔を見合わせる。

「やあやあやあ。どうもどうも。」
琴子の前に顔を突き出したのは、青木だった。勿論その後ろには白山、黄原もいる。
「ゲッ!今一番見たくない顔!」
琴子は立ち上がり、一番後ろの席まで移動する。
「待ってよ、コトリン。」
愚鈍な様子でその琴子の後を追いかける青木たち。
「もう、相変わらずつれないなあ。アニメ部の後輩としてその態度どう?」
「だから違います!あたしはテニス部員であってアニメ部員ではありません!」
「まあまあ。」
拒否されながらも、青木はちゃっかりと琴子の前の席に腰を下ろしてしまった。

「小耳にはさんだんだけど、おたくさ、家出中なんだって?」
「違います。家出じゃありません。」
「いや、家出よね」と理美とじんこがヒソヒソと話す。
「住み込みまでしてるって話じゃない?ん?」
ニタニタと笑う青木。
「違うって。自立をめざして勉強中なんです。」
琴子はあくまで家出とは認めない。
「でもお金に困ってるんじゃないの?」
青木は「ね?」とまたなれなれしく琴子に同意を求めた。
「それは…その…。」
確かに住み込みで働き始めた理由はお金が必要だからである。この先、考えたくもないが…「相原琴子」に戻る可能性もある。
「ほうら、やっぱり。」
青木たちアニメ部三人は顔を見合わせ笑った。

「それがアニメ部に何の関係があるっていうのよ?」
琴子は開き直る。
「…いい儲け話があるんだけど。」
青木が本題を切り出す。
「儲け話?絶対いい話じゃないわ。」
さすがに琴子も、過去の経験をふまえ、そう易々と彼らの魂胆に乗ることはない。
琴子の傍で理美たちも「うんうん」と頷いている。

「あれ?そんなこと言っちゃって、いいのかな?いいのかな?」
節までつけて歌うように青木は琴子を挑発する。
「お金も稼げて、更におたくの旦那も見直してくれる話なのにさ。」
「旦那って…入江くんが?」
琴子の顔が変わる。
「ちょっと琴子!」
「だめよ、あんたそれでこの間も騙されたんでしょうが!」
理美とじんこが慌てて琴子を連れ戻そうとする。
「だって、入江くんが見直すって…。」
直樹の名前を出されるとコロリと変わってしまう琴子である。

「で、どんな話なんですか?」
話だけでも聞いてみよう。そう思い始めた琴子は青木に訊ねる。
「おたくさ、はっきり聞くけど…コトリンのこと嫌いでしょ?」
青木は矢野同様のささくれだった人差し指を琴子に突きつけた。
「ま…嫌いというか…見たくないというか…。」
言葉を濁す琴子。
直樹の作ったゲームソフトを嫌いと断言するのは正直申し訳ない。しかし、元はこのアニメ部の面々が勝手に自分を盗撮し、勝手にキャラにしたくだらないアニメなのである。
コトリンを見る度に、この三人の顔が浮かぶのが耐えられないというところが本音である。

「それって旦那、悲しんでいると思わない?」
たらこな唇をまるでキスを迫るかのように突き出してくる青木。
「入江くんが…悲しんでいる…。」
琴子は黙りこんでしまった。
言われてみればその通りかもしれない。
会社を救うため、自分と結婚するために不眠不休で制作したゲームソフト。それを妻が嫌がっている…これほど直樹が落ち込むことはない。

「琴子、だまされちゃだめ!」
「そうよ、現実を見なさい!」
青木の魔術(?)に引っ掛かりそうになっている琴子を、何とか理美たちは呼び戻そうとする。しかし琴子の目はもう虚ろ。

「可哀想だなあ、旦那。そんな所が喧嘩になった原因なんじゃないの?」
青木はそんな琴子を見て、もう少しだと更にたたみかけた。
「…そうかも。」
琴子は見事青木の魔術(?)の餌食となってしまった。
理美とじんこが「はあ…」と肩を落としたことも目に入らない。

「あたし…入江くんに悪いことしてたのかも。」
今までは単位を落としたことを八つ当たりしてしまったことを悔やんでいた琴子だが、更に悔やむことが増えてしまった。こうなると這い上がることは容易ではない。
琴子は奈落の底に突き落とされたかのように、うなだれてしまった。

「だから、いい方法があるんだってば。」
「そうそう。旦那も熟女からおたくに目を戻してくれるし。」
白山の言葉が琴子の耳に引っ掛かった。
「熟女?」
「あれ?知らないの?おたくの旦那、熟女に夢中なの。」
青木が今頃何をという感じで話す。
「熟女ってあの入江くんが?」
「それはないんじゃ…。」
理美とじんこは直樹が浮気をするとまでは思ってはいない。

「琴子、それはないわよ。」
「そうよ。あの入江くんが熟女に狂うなんて考えられない。」
理美とじんこはそれは絶対違うと琴子に念を押す。
しかし琴子の顔色は青ざめていった。
「ううん…そういえば、入江くん、言ってた…。実習先の大学病院の売店のおばちゃんに気に入られているって。」
そして琴子の脳裏にはあらぬ妄想が広がって行く。

「空いている病室のベッドで…入江くんが売店のおばちゃんと…。」
「そうそう。豊満な肉体の虜になっているって話。」
「ちょっと、この子は信じやすい体質なんですから!」
理美が青木に抗議する。
「豊満な…肉体…熟女…。」
しかし琴子の耳にはその親友の抗議の声も届いていない。

カーテンをしめきった病室のベッドの上で、直樹が白衣を脱いでいる。そのベッドには自分とは正反対の、豊かなバストを持つ売店のおばちゃんが「カモーン」と直樹を招いている…。

「いやああああっ!!!」
琴子は耳を塞いで叫んだ。
「琴子、落ち着いて!!」
「大丈夫、大丈夫だから!!」
理美たちが何とか琴子を落ち着かせようとする。しかし琴子の目には直樹と売店のおばちゃんのベッドシーンしか浮かんでいない。

「あたし、入江くんに戻ってきてもらうために何でもやる!!」

琴子の口から出たセリフを聞いた青木たちはニンマリと笑い、理美たちは「もう知らないから…」と溜息をついたのだった。



「待ってて、入江くん。売店のおばちゃんよりもあたしの方が魅力的だって思ってもらえるよう頑張る!」
ブツブツと呟きながら、琴子は歩いていた。
「だからって、あの人たちの話に乗るのはどうなの?」
理美たちは何とか琴子を止めようと頑張っているが、琴子の決意は固い。
「あ!」
歩いていた琴子は前からやってきた人物を見つけて声を上げた。
「船津くん!」
「あ、琴子さん!」
それは直樹の医学部での同級生の船津であった。
「琴子さん、家を出たって…。」
「ちょうどよかった!聞きたいことがあるの!」
船津の言葉を琴子は遮った。
「大学病院の売店のおばちゃんって、熟女?」
「じゅ、熟女?」
突然何を聞くのかと、船津は呆気にとられる。
「そう、熟女?」
「熟女…まあ、おばちゃんはおばちゃん…ですけどね。」
「やっぱり…。」
琴子はがっくりと肩を落とす。もしかしたら売店で働いているのはおばちゃんではなく、おじちゃんなのではとかすかに期待していたのである。
「入江くんと仲がいい?」
「仲がいいというか、おばちゃんが入江さんを気に入っていて、色々おまけしてあげてるみたいですけどね。」
「…決定的。」
そして琴子は続けて訊ねる。
「おばちゃん、豊満なボディ?」
「ほ、豊満なボディって…まあ…ふくよかな感じではあるかなあ?」
おぼろげな記憶の中から、何とかおばちゃんの事を思い出しながら船津は説明する。
「そっかあ…やっぱり噂は本当なんだ…。」
琴子は「ありがとう」と言い残し、トボトボと歩いて行く。その後を理美たちが追いかける。

「何なんだろう…琴子さん。」
その琴子たちの後ろ姿を船津は首を傾げて見ていた。
「おばちゃんが熟女…うーん、76歳も熟女になるのかなあ?豊満なボディ…ていうか、頭はかなりボリュームあるアフロとアイロンパーマの中間みたいな感じだけど。」



それから一週間後。

「あ、来た来た!」
青木たちはとある会場で琴子を待ち受けていた。
「…どうも。」
琴子はペコリと頭を下げる。
「どうも、どうも。矢野だけど覚えているかなあ?」
そこには青木たちの他にアニメ部OBである矢野の姿もあった。
「…ちょっとだけ。」
琴子は正直に矢野に答えた。

琴子は周囲をキョロキョロと見回した。何だかアニメ部の連中に雰囲気がよく似た男たちが机を並べたりせわしなく動いている。

「あの…ここは?」
「あれ?聞いてない?」
矢野が青木たちを「ダメじゃん、ちゃんと説明しないと」と叱った。

「ほら、これだよ。」
矢野が「ジャーン」と効果音を口で言いながら出したパンフレット。そこには、
『ラケット戦士コトリン 同人誌マーケット』
という文字が大きく印刷されていた。

「同人誌…。」
聞いたことはあるが、何なのだろうかと琴子は思った。
「ま、ここにいれば分かるよ。」
そして青木が次に琴子の前に出したのは、レオパード柄のノースリーブの上着とミニスカートのセットであった。
「…なんです、これ?」
「まさか」と思いつつ、琴子は訊ねる。
「おたくの今日の衣装。これを着て、そこに立ってもらうのが今日のおたくの仕事。」
「はあ!?」
琴子は目を丸くした。
「何でこれをあたしが着なければならないの!!」
「何でって、おたくが何でもやるって言ったんじゃないの!」
青木は衣装を琴子に押し付けた。
「こっちもあるけど、どっちがいい?」
矢野が出している衣装は、同じレオパード柄であるがこちらはビキニ仕様。
「これ着て、ニコニコ笑って立ってればお金が手に入るんだよ?」
「でも…。」
躊躇する琴子に、青木は決定打を放った。
「旦那、喜ぶよ?」
「入江くんが…。」
琴子の脳裏に直樹の姿が浮かぶ。



**********

『琴子!お前、そんなにコトリンを愛してくれたのか!』
レオパード柄の琴子をギュッと抱きしめてくれる直樹。
『当り前じゃない!入江くんが作ったソフトだもん!』
『琴子、そんなにこれを誇りに思ってくれていたのか!俺がバカだったよ。こんないい奥さんに冷たくして!』
『いいの、入江くん。あたしも悪かったし…。』

**********



「いいのよ、いいのよ、入江くん…。」
妄想の世界へと飛び立った琴子。そこにはもう、あの売店のおばちゃんの姿はない。



「いらっしゃいませ!斗南大学アニメ部の同人誌はこちらです!」
三十分後、ノースリーブの衣装に身を包み琴子は声を張り上げていた。さすがにビキニは着られなかった。
「お!コトリンそっくり!」
「本物じゃん!」
モデルなのだからそっくりなのは当然。ファンも続々と琴子の周囲に群がり始めたのである ――。

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コメント

琴子ったら!

琴子は、直樹にいつでも「いい、奥さん」と思ってほしいんですよね!直樹のためならという気持ちで、オタクたちの言う通りにやってるけど、直樹がきっと聞きつけて、見にくるのかな?楽しみですね♪直樹が…

水玉さん、お体はいかがでしょうか??
無理なさらないでくださいね♪(私は元気ですが最近またまたPCの調子が悪い!!!ちくしょう!!)
水玉親子の会話が面白くて!!最高です!!

入江君の弱点が琴子。
また琴子ちゃんの弱点も直樹さんなのよねぇ~(まっ琴子ちゃんは弱点はほかにもあるけどさっ)
けど、あのオタちゃんたちがよくその事に気づきましたね!!
人が気づいても彼等だけは・・・と思っていたけど
オタちゃんたちのコトリンにかける執念は人並み以上なんですよね♪
けど今までことごとくその思いを直樹によってつぶされているので・・・
家出中の琴子ちゃん、どんなふうに仲直りするのかしら??
楽しみです♪

マズイかけひき

      こんにちは
 琴子ったら言葉巧みにやられちゃったねぇ・・・。おかしいと思ってもねぇ・・・今は家出中だからもあるし・・・。先ず相手が相手だから信じちゃぁダメですって・・・。


 本物で金儲けって・・・オタクーズは ほんと怖いもの知らずですよぉ・・・。琴子にも正当なぁ分け前がいくんでしょうかぁ?ピンはね しそうです。


 ゴルゴ13にも負けてないですから・・・琴子が絡むとスナイパーになりますからねぇ・・・奴はぁ・・・。渡辺君が動いてくれるかなぁ・・・。直樹は何時気づくんでしょうかぁ?ビックリか呆れかどっちかなぁ・・・オタクーズへの制裁が楽しみのようなぁ・・・。

ヒロタンさん、ありがとうございます。

オタク達に何度騙されたら気が済むんでしょうね、琴子ちゃん。
まあ、そこが彼女の可愛いところといえばそうなんですけれど(笑)
ずっと入江くんが出てきませんが、次回登場予定です♪

ゆみのすけさん、ありがとうございます。

ありがとうございます!

咳が止まらなくなってきたので、明日あたり病院へ行った方がいいかなと思うように…涙
完全に気管支をこじらせてしまった感じです。あーあ。

ゆみのすけさんが言うと「ちくしょう」すら可愛い言葉に聞こえるわ♪
確かに、オタちゃんたちだけは絶対気がつかないと思う、私も!!
こいつらがどうしてそこに気がついたのか…それだけ入江くんの態度はばればれってことなんでしょうけど!

コトリンは彼らが作り出したキャラクターだけに愛着もひとしおなんでしょう。
それを入江くんにかっさらわれてしまったもんだから…悔しさもわからないでもないわ。

吉キチさん、ありがとうございます。

家出中で不安な琴子ちゃんをまんまとだましたオタクーズ。
彼らの思うように行く事は決してないんですが、三日天下ならぬ一日、いや半日天下を楽しんでいただけたらと思います(笑)

確かに琴子ちゃんに分け前は行かない気がします。
ここもうまいこと言いくるめてピンはねしそう!!

そうそう、家出エピソードは渡辺くん大活躍の回でしたよね!もちろん出しますよ~。

拍手コメントありがとうございます。

佑さん
彼らがドンの怖さを知る日は永遠に来ないような…。
いや知ってもすぐに忘れるんでしょうね。
ある意味根性は琴子ちゃんクラスといっても過言ではないかも!
琴子ちゃんは本当にこの騙されやすいところが可愛いんですよね。

紀子ママさん
なんだかんだとコトリンはモノにしているんですよね、オタク部。
でも最後は必ずドンの報復にあっておしまいなんですが。
琴子ちゃんは本当に何をやっても可愛いです♪この時の入江くんもなかなか迎えに行かなくて本当に、もう!って感じでしたよね。

まあちさん
青木マジック、本当にすごいよ。
最初はいつも成功するのに、絶対最後はパーになる。そのワンパターンが愛される理由?
それにしても、オタク達のいいなりになっている琴子ちゃんを見たら、ドンはなんというか…その辺が次に出てきます♪

みづきさん
ありがとうございます。
完全にこじらせた感じが…(笑)咳が今日止まらなくなってしまって。
やっぱり病院行きですかね…。はあ。
琴子ちゃんの格好、これをさせただけでもオタクたちには成功の部類に入るかと思うのですが…。

Foxさん
いや本当に油断したらえらい目にあっております!!
治りにくいのはやっぱり年でしょうかね?
本当、色々服装に迷う時期でもありますし、どうかFoxさんも気をつけて下さいね!!
先ほど病院の前を通ったら、結構患者さんがいて…風邪の流行を感じました。
オタク達、きっとこれからも懲りる事はないでしょう!!

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