日々草子 コトリンを救い出せ! 上

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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ここは都内のとあるボロアパート(築四十年)。
「入って、入って。」
客を招き入れているのは、この部屋の主、矢野。

「お邪魔します。」
「ああ、そっと入れよ。床が抜けるから。」
「すみません。」
「あ、すげえ!コトリンの等身大パネル!」
「さすが矢野さん!」

そして招かれているのは、斗南大学オタク部…じゃない、アニメ部のいつもの面々である。

矢野の部屋はアパートの二階であり、六畳一間。その六畳の中央に鎮座していたのが、ゲームソフト『ラケット戦士コトリン』のコトリンの等身大パネルであった。

「製作者の俺たちだって持ってないっすよ。」
「そうだよな。」
矢野の後輩、青木、白山、黄原はパネルに頬ずりする勢いである。
「まあ、苦労したけどな。」
ガハハハと笑う矢野。その顔は自慢に溢れている。

「お前ら、お茶でいいよな?」
「お茶!!最高っす!!」
貧しい部のために水しか飲めない三人には何よりのもてなし。
「湯呑足りないから、紙コップでいいよな。」
「お構いなく。」
矢野は商品入れ替えのために激安価格で売られていた緑茶のティーパックをまず一つの紙コップへ入れ、お湯を注ぐ。そしてそのティーパックを次の紙コップへと。
一つのティーパックで矢野は四人分のお茶を何と淹れたのだった。

「…それにしても、ドンの奴には腹が立つな。」
コトリンを見るとどうしても連鎖的にあの男の顔を思い出してしまう面々。
「誰かあいつを何とかしてくれねえか。」
紙コップの端をガジガジと噛みながら矢野は憎々しげに呟く。
「いっそのこと、ゴルゴ13に依頼しますかね?」
味のあるお茶は久しぶりだと感激しつつ、青木が提案する。
「マジでそうしたいよ。」
黄原は紙コップを両手で持ち、その温かさを感じている。
「でもさあ。ゴルゴに依頼できるような大金、俺らにはねえぞ。」
白山はお達者クラブの一員のように、「ほう…」と息をつきながらお茶を啜る。
「そうだな。ゴルゴ高えよ。負けてくれねえかな。」
「ポイントカードもなさそうだしな。“10%ポイント還元!!”とか、絶対あの顔じゃ言わねえな。」
「“他の殺し屋より一円でも高い場合は値引きします”とかプロフィールに書いてねえのか?」

…ゴルゴ13は池袋の家電量販店じゃない。


「でもさ。」
話題を元に戻したのは、青木の慎重な声だった。
「でも、何だ?青木?」
矢野は早々にお茶を飲み終え、空になった紙コップを前に置いた。
「いや…ドン入江は、あのゴルゴも負けるんじゃないかって気がするんすよ。」

沈黙が全員を包む ――。



「…確かに、そうかもな。」
青木に同意したのは黄原だった。
「あの迫力はゴルゴに匹敵する。」
「ていうかさ。」
青木がまた口を開いた。
「俺、思うんだけど。」
そこで青木はゴクリと唾を飲み込んだ。

「…実は入江の野郎がゴルゴとか?ほら、大学の夏休みとか利用して、あいつがゴルゴになって世界中を回っているとかさ、バイトで。」

四人の脳裏に、入江直樹が銃を構えている姿が浮かんだ ――。

…ゴルゴ13はバイトでできるような職業じゃない。



「お前ら、しっかりしろ!!」
すっかり停滞した雰囲気を破ったのは、矢野のダミ声だった。

「ドンはドンだ!ゴルゴなんかじゃない!!」

「そっか。」
「そうだよな。」
矢野の声に我に返る後輩たち。
「あいつがいくら怖くても、後輩に変わりはないんだよな。」
「そうだ、そうだ。」
矢野が後輩たちを鼓舞する。
「あいつはただのドンだ。ドン入江だ!!」

…ただの後輩をドン入江と認識していいのか?オタク部。



「それに、奴とゴルゴは決定的に違う点がある!」
「違い?何ですか?」
青木が矢野に訊ねた。
「フフフ…。」
矢野は唇をなめ、緑茶の名残を味わいながら笑った。
「…ゴルゴには隙がないが、ドン入江には隙がる!」
「隙!?」
目を見張る後輩たちに、矢野は得意気に続けた。
「そうだ!ドンの隙、それは…これだ!!」
今日もささくれだって、さらにそこに血が滲んでいる太い人差し指を矢野が突きつけた先にあるのは…。

「コトリン!!」

…コトリンの等身大パネルであった。



「あ、コトリンで思い出した。」
緊迫しかけた雰囲気を、間の抜けた声で壊したのは白山だった。
「何だよ?」
黄原が顔を向ける。
「いや、この間大学で噂聞いたんだけど。」
「噂?」
青木が聞き返す。
「そう。コトリン、家出してるらしいぞ。」
「家出!?」
白山以外の三人がダミ声を揃えて叫んだ。

「い、家出って本当かよ?」
矢野が鼻息荒く白山に詰め寄る。
「ほ、本当です、矢野さん。」
その鼻息から少し顔を背けながら答える白山。
「…何でも、今は食堂で住み込みで働いているって。」
「食堂!!」
矢野だけではなく、青木と黄原も鼻息荒く白山に詰め寄った。

「…それは本気だな、コトリン。」
大きな顔に満面な笑顔を浮かべ、矢野が頷く。
「あれって誰が見たって、コトリンがドンに夢中でしたもんね。」
青木が矢野に確認を求めた。
「ああ。コトリン、男の趣味悪いよな。」
「とうとう離婚かあ。」
黄原は勝手に離婚まで話を進めた。
「そりゃあ決定的だろ。」
矢野が「ウホホホホ」と最高に機嫌のいい時にだけ出るゴリラのような笑い声を上げた。



「しかし、原因は何ですかね?」
ネタを運んで来た白山はそこまでは知らないらしい。
「そりゃあ、あれだよ。浮気。ドンが浮気したんだろ。」
矢野がまた勝手に理由を決め付ける。
「浮気!コトリンを弄んでおきながら!!」
カンカンに怒る青木。
「やっぱりコトリンの体がツルツルペッタンだからっすか?」
白山がとんでもないことを言い出した。
「そうだろうな。それしかないだろう。」
見たこともないくせに、矢野は決定してしまった。
「入江の奴、熟女に鞍替えしたんだろうよ。」
「熟女!」
後輩たちが叫んだ。
「そうだ。“私は熟女大好きです”ってあの顔に書いてある!きっと熟女の豊満ムチムチな肢体に今頃揉まれているに違いねえ!!」
矢野はどんどんあらぬ方向へと想像力を働かせていった。

「許さねえ、あのドン入江!」
「コトリンを捨てて熟女かよ!」
「ふざけんな!」
オタクたちはどんどんヒートアップしていく。

「今こそ、チャンスだぞ、お前ら!!」
そんな後輩たちの意気を、矢野は更に上げ始めた。

「今こそ、あの入江直樹に一矢報いる時が来たんだ!!」

「よっしゃあ!!」
「やるぞ、俺たちは!!」

そして四人は狭い部屋の中でその巨体をくっつけあい、円陣を組んだ。

「打倒、ドン入江!!」
「コトリンを救え!!」
「エイエイオー!!」

「うるさい!!静かにしろ!!」
階下の住人の声が、盛り上がった四人の気持ちに水をさした。

しかし、それでもオタク部の気持ちは冷めることはなかったのである ――。










お見舞いのコメント、本当にありがとうございます!!
だいぶ元気が出てきました!

でもまた頭を使う話は書けるところまで回復していないので(月読みは私にとってかなり頭を使っているのです^^;)、頭を全く使わずに書けるものを…で、これかい!!

上は思いきり、私の趣味に走ってしまいました…すみません。
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コメント

大丈夫ですか?

UP有難うございました! 「月読み…」は、つら過ぎていたので、オタクたちに会えて嬉しいです! 体調は、どうですか?無理なさらないでくださいね!続きが、楽しみです!

ヒロタンさん、ありがとうございます。

ありがとうございます!
いや、私も月読みを書く体力までまだ回復しておらず…。
またもやオタクたちに出てきてもらいました!
読んでくださりありがとうございます♪

拍手コメントありがとうございます。

まあちさん
もう本当にお嬢さん、面白すぎです!!!
私も昨日はしっかり見てしまいました!
本当は、入江くんと白ブリーフもからませてみたかったのですが…それはまた今後のお楽しみに(楽しみにしている人がいるのだろうか?)。
三銃士にとって、矢野っちはカリスマ的存在ではあると思います!だからこそこんなに言うことを聞いているのでしょう。

Foxさん
この連中は、ドン入江に勝つまで懲りずに頑張り続けるんでしょうね。
でも入江くんがこんな人たちに負けるのも嫌だから(笑)、絶対勝たせるつもりですけれど!!
上、中といまだ入江くん出番なしなのが申し訳ないです。
というか、下で終わるだろうか…下の下とかになりそうな予感が。

紀子ママさん
まだ鼻と咳がおさまりませんが、だいぶ体は楽になってきました。
ありがとうございます。
御主人もゴルゴを楽しまれているようで。ぜひ一度お話を…♪
個人的にはゴルゴには負けてほしくないけど、でも入江くんにも負けてほしくないな。

chan-BBさん
今週末には復活できそうじゃないかなと思うんですけれど~。
いや、人間、体で一番弱い所が最後までぐずつくのね~と変に感心しております。
ありがとうございます!!
私もどちらかというと、入江くんはロリ好みだろうなと!
だって琴子ちゃんを選んだ時点でやっぱりそう思いますもん。
なんだか琴子ちゃんにはいつまでも色気より可愛い琴子ちゃんでいてほしいのじゃないかなあと思います。

あけみさん
ありがとうございます!
ツルツルペッタン、本当に自分もそうなので琴子ちゃんの気持ちが良く分かります。
熟女好みにされるは、ドン呼ばわりされるは…入江くんにとってこの連中は本当に疫病神ですね!
彼らの天下も三日どころかすぐに終わることも知らずに…。

こんにちは
 オタクーズ・・・そのうちに、【ゴルゴ13】を雇う前に、仕留められるかも・・・誰にぃ?ですがぁ・・・エヘヘ。

 オタクーズは毎度愛しいコトリンといいつつも、コトリンとドンをツマミにお茶飲んでるんかぁ?薄々茶。
 でも【コトリン命】のようで・・・ツルツルペッタンってねぇ・・・。自分達の思い描くはナイスボディ~ですから・・・【命】の様でケナシテない?

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