日々草子 おだんごとモミアゲ 2
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

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「どうしよう…。」
大蛇森の姿をした琴子が頭を抱えていた時、医局のドアが開かれた。
「おい!!」
入ってきたのは、琴子の姿をした大蛇森。
「まさか、お前、僕の代わりに診察をしようとか思ってないだろうな。」
大蛇森は琴子に詰め寄る。幸いにも医局には他に誰もいない。
「まさか!」
ブンブンと頭を激しく振る琴子。とてもじゃないがそのようなことはできない。

「しまった!申し送りの時間じゃないか!」
大蛇森は時計を見て叫んだ。
「いくら見かけは君でも、中身は僕なんだ。この僕が遅刻なんてみっともない真似はできない。」
「ちょっと、それじゃあこっちはどうすればいいんですか?」
琴子は血相を変え、大蛇森の服を掴んだ。
「具合が悪いとか、何とか誤魔化したまえ!」
「具合って何の病気!?」
「そんなこと、自分で考えろ!」
大蛇森はパンと琴子の手を払う。
「それから、具合が悪いから早退と考えないでくれたまえよ。」
「何で?」
「女を僕の部屋に入れるなんて許せないんだよ!!」
そして大蛇森は医局を出て行ってしまった。
「そんなあ…もうちょっと何かアイディアを残して行ってよ…。」
琴子は半泣き状態で、再び頭を抱えたのだった。



「おはよ、琴子。ギリギリセーフよ。」
大蛇森がナースセンターに入ると、幹が出迎えた。
「ああ…ええと…おはよう、オカマくん。」
その瞬間、大蛇森の襟首がすごい力で締め付けられる。
「アンタ…今、オカマって言わなかった?」
恐ろしい形相で幹が大蛇森を睨んでいる。
「あ、い、いや…その…。」
「オカマじゃないって、アンタが看護科に入った時に言ったわよね?アタシは男に間違えて生まれてきてしまった女だって!!」
「あ、そ、そう…?」
さすがの大蛇森も幹の迫力にはタジタジとなっていた。
「じゃ、じゃあ…言い直す。おはよう、桔梗くん…。」
「だから、男を連想させるような呼び方はやめろって言ってんでしょうがっ!!!」
更に幹は大蛇森の首を締めあげる。
「す、すみません…。」
「モトちゃん、いい?モ・ト・ちゃ・ん!」
「も、モト…ちゃん。」
「よろしい。」
幹は大蛇森をやっと解放した。

「まったくこんな変な人間と付き合っているから、あのバカはどんどんバカになっていくんだ!!」
そして「ゲホゲホ」と大蛇森は咳き込んだ。

そうこうしているうちに、清水主任もやってきて朝の申し送りが始まる。
「716号室の田中さんは落ち着いていて…。」
静かな申し送りの声がナースセンターに響く。

しかし…。

「今日、入江先生は午後からだって。」
「ラッキー。久しぶりに入江先生と一緒にお仕事!」
「午後の回診は私が一緒。」
「違うわよ、アタシ!」

幹を含めたナースたちは、その申し送りの合間にヒソヒソと会話を交わしている。しかも話題は患者のことではない。直樹のことなのである。しかも妻である琴子の前で。
「ちょっとあなた達、いい加減に…。」
さすがに清水主任が注意をして止めようとした。
その時である。

「シャーラーップッ!!!!!」

大きな声がナースステーションに響き渡った。

「シャ、シャーラップ…?」
ナースたちは一体何が起きたのかと、声の主を一斉に見る。

「いい加減にした…しなさい!!」
そこには琴子がすごい顔で一同を睨みつけていたのだった。
「こ、琴子…?」
幹が目を丸くしている。
「何なんですか、あなたたちは!申し送りの時間にぺちゃくちゃおしゃべりして!!」
琴子の剣幕に、ナースたちは黙っていることしかできない。
「ぼ…私たちはナースなんです!!患者の命を預かるのが仕事です!こんな浮ついた気持ちで医療が出来ると思いますか!」
「す、すみません…。」
ナースたちはうなだれる。まさか病棟一、いや病院一のドジナースである琴子に説教をされる日が来ようとは誰も思っていなかった。

―― 全く、入江先生、入江先生と!くちばしの黄色い小娘たちが!入江先生は僕のものなんだ!

大蛇森はナースたちのおしゃべりが気にさわったことはもちろん、その内容が直樹についての話題であることに腹を立てていた。

「入江先生、入江先生とみっともない!!医療従事者の心構えというものはないんですか!」
そして琴子は、ナースたちと同様、驚きのあまりに黙り込んでしまっている清水を見た。
「主任!!」
「は、はい!!」
思わず身を固くしてしまう清水。
「私の言うこと、何か間違ってますか?」
「いいえ、とんでもないです!入江さんの言うとおりです!」
なぜか清水は琴子に対して敬語を使ってしまった。とにかく今日の琴子はいつもと違う。

「ですよね?勿論、オフタイムに何をおしゃべりしても結構!しかし勤務中は患者のことだけを考える!このけじめと緊張感がいいケアを生み出すんです!」

ここをきちんと区別して話しておかないと、自分が直樹と顔を合わせた時にまとわりつけなくなってしまう。その辺のずる賢さは大蛇森らしいといえばらしい。


「では、申し送りも済んだところで。私は患者さんたちのひげそりに行ってまいりますので。」
呆気に取られているナースたちを尻目に琴子は、剃刀を手にナースステーションを堂々と出て行った。
その迫力のすごさに、誰も何も言い返せないままであった。

「え?あの子、ひげそりって言った?」
我に返った幹が驚く。
「ちょっと、琴子にひげなんて剃らせたら顔が傷だらけになって形成外科に転棟になっちゃう!!」
幹は慌てて琴子の後を追いかけた。



一方、医局。

「診察ができない?どこか具合でも?」
戻ってきた西垣に琴子は今日の診察を誰か他の医師に替えてほしいと頼んでいた。
「ちょ、ちょっと…。」
「ちょっと?どこが悪いんですか、大蛇森先生?」
西垣も普段はチャラチャラしているが、やはり医師。具合が悪い人間を前にするとスイッチが入る。
「あ、あの…。」
琴子は懸命に考えていた。診察が出来ない理由、手術が出来ない理由…注射…メス…。

「手が震えて、注射も無理でメスも握れなくて。」
苦し紛れに考えた理由がこれだった。
「手が震える?」
西垣の顔色が変わる。
「どうしたんですか?頭でも打ちましたか?」
「いえ、特には…。」
「あ、そうか。頭でしたら大蛇森先生の方が専門ですよね。」
西垣は少し表情を和らげた。

「ええと…その…禁断症状で…。」
琴子は一生懸命、理由を考え続ける。
「え?」
「禁断症状で手が震えていまして…。」
「禁断症状!?」
西垣は目を丸くした。
「それって、アル…。」
「アル中」と言いかけた口を、西垣は何とか閉じた。
「そういうわけで今日はちょっと…。」
「…分かりました。」
アル中にせよ何にせよ、そんな状態で患者を診察させるわけにはいかない。
西垣は代診を立ててもらうよう連絡してくれた。

「うん、血圧は正常。脈はちょっと速いですね。でもこれくらいでは問題ないでしょう。」
連絡を終えた後、西垣は琴子の血圧と脈を測ってくれた。
「そりゃあ、速くもなるわ。」
「え?」
「あ、いえ。ありがとうございます。」
思わず本音が零れた琴子は、笑って誤魔化した。

「帰宅された方がいいですよね?」
西垣の問いかけに琴子は手を振る。
「あ、いえ。それがちょっと…帰れなくて。」
大蛇森に「絶対家に入るな」と言われている。勿論言われなくとも琴子だって大蛇森の家など入りたくない。
ここに居座って、大蛇森が何かしでかさないか、特に直樹にちょっかいを出さないかを見張っていたいのが本音である。

「帰れない?どうしてです?大蛇森先生は一人暮らしですよね?」
西垣は怪訝な顔をする。
「そうなんですが…その…。」
しどろもどろになる琴子。しかし西垣は具合が悪いからだろうとあまり気にしない様子であることが救いだった。
「その?」
西垣は大蛇森の顔を覗きこむ。
「その…。」
琴子はまたもや理由を探し始める。何か、何か家に戻れない理由。一人暮らしでも戻れない理由は…。
なぜだかこんな切羽詰まった時に、昨夜見ていた映画を思い出してしまう。

―― 昨夜の『ゴースト ニューヨークの幻』は感動したわ…。

と、関係ない所へとどんどん行きそうになる琴子。

「大蛇森先生?」
気分が悪いのかと西垣は心配している。
「あ、あの…霊媒師が来ていまして。」
映画の余韻からか、とんでもない言葉が琴子の口から飛び出してしまった。
「霊媒師!?」
西垣は今日一番の驚きを見せた。
「れ、霊媒師って、なんでそんな人が先生の家に?」
「あの…ちょっと…霊がいまして、うちに。」
「霊が…いる?」
霊というものは「ちょっといる」ようなものだろうか?理系人間らしく、霊などの非科学的な存在を信じていない西垣は首を傾げる。

「それで、ちょっとお祓いをしてもらおうかと思って。だからその間は家に戻らないようにと言われているので。」
「霊媒師…霊…。」
西垣は言い返す言葉すら見つからない。しかし、話す大蛇森(西垣の目にはそう映っている)の顔は真剣そのもの。
「そ、そういうわけでして…お邪魔だとは思いますが、今日は医局にいさせて下さい。隅っこにいますから。」
琴子は西垣に手を合わせて懇願した。
「そういう事情なら…仕方ないですよね…。」
西垣はまだ何か言いたそうにしていたが、具合が悪くなったらすぐに自分を呼ぶようにと琴子に念を押し、病棟へと向った。

「何とか誤魔化せた!!」
西垣が出て行き、再び医局に一人となった琴子は息を吐き、ソファに体を沈めたのだった。



「やっぱりアル中なのかな?」
歩きながら西垣は一人呟く。
「アル中で手が震えて、妄想が見えて、霊だの霊媒師だのと騒いでいるのかも…。」
確かに医局にいてもらった方が、問題を起こされるリスクは低い。外へ出して何か起こされたら、斗南大付属病院の名前に傷がつく。
あまり気が進まないが、時々は様子を見に顔を出そうと思いながら、西垣は早足で病棟へと向ったのだった。








☆あとがき
「月読み」への御意見、ありがとうございます!!
お返事はのちほどさせていただくことをお許し下さい。

久しぶりに現代のイリコト(入江くんまだ出てないけど)を書いた、ちょっと自信を取り戻せそうな感じです。
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コメント

水玉さん♪
先が読めないお話ですね。
この事実直樹が知ると恐ろしいなぁ~と思いながら、
そして大蛇森に変身とは何とも気持ちの悪い(笑)展開に
ちょこっとドキドキしています。
まだ出てきていない入江君、どうなるのでしょう??
それとも出てこないのか??

今回のヒットは
ガッキーが
斗南大付属病院の名前に傷がつく、と
自分のことを棚に上げて考えているところでした♪

独り歩き

  こりゃぁ~戻った後も何騒動もありそで、楽しみです。
 直樹の件でモミアゲ君も怒り心頭だけど・・・オタクだって同じ穴のムジナなんですけど・・・。 言葉づかいは帰られるハズも無く、お互いに色々思いつつも好き勝手にやりたい放題ですねぇ。 琴子は帰宅ダメとかに応える形はとっても・・・琴子らしい対応に、その場しのぎの思いつきに・・・この後が・・・無かった事に出来ない言葉達が独り歩きしてますから・・・尾ひれもこれから、たんまりつきそうだし・・・。

 後が大変そうだと思っています。見るのはいいけど・・・本人、巻き込まれた方は大変だよねぇ。


 不本意の入れ替わり誰が最初に気づくのが興味アリアリです。ヤッパ あのお方でしょうかぁ・・・。

ゆみのすけさん、ありがとうございます。

本当!!!
自分が女性たちと浮名を流していることはいいのか、ガッキー?
でも医者らしいことをしているのでよしとしよう←何様?

確かに大蛇森先生と入れ替わるというのは、かなり気持ち悪いことになっています(笑)
お互い嫌いな人間になっているというのが、また何ともお気の毒><

吉キチさん、ありがとうございます。

とりあえず、アル中の妄想癖な人間にされてしまった大蛇森先生。
戻った後、琴子ちゃんへの恨みは増す一方でしょう^^

ナースたちも突然変異に驚いているし!
でもばれないのが不思議~。

本当に最初に気がつくのは誰なのか、それとも気がつかれないままなのか…?

拍手コメント、ありがとうございます。

拍手コメント、ありがとうございます。

ぴろりおさん
ありがとうございます。
今気分転換に書いているこの話を終えたら再開する予定です。
その時までお待ちいただけたらと思います。
でも本当にこんなにたくさんの方から待っているとのお言葉を頂けるとは思ってもいませんでした!
本当にありがとうございます。

あけみさん
いえ、どんどん妄想して下さい!
確かに、入江くんが今の琴子ちゃんに触る=大蛇森に触るってことなんですよね(笑)
中身がばれないうちは仕方ないにせよ、ばれたらどうなるのか…。

Foxさん
いえ、来てませんでしたよ~♪
でもなんて可愛いFoxさんのジンクス♪私も途中で投稿ボタン押したりしてしまいます。
大蛇森先生、なんだか琴子ライフを楽しんでいるかのような…戻りたくないとか言い出すのではないでしょうか。

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