日々草子 秘密 第23話
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

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秘密 第23話

「て、ことなんだよね。水沢くんの好きな人って誰だろうね?入江くん、心当たりある?」
その夜、日勤が終った後、別名“逢引部屋”の仮眠室にて琴子は直樹に相談していた。
「…そんなくだらないことで、俺をここへ呼び出した訳?」
「だって、ここは誰も来ない密会する部屋なんでしょ?密談するにはちょうどいいじゃない。」
完全に密会の意味を勘違いしている琴子に、直樹は呆れた。
「私も心当たりはあるんだけどね…。」
琴子はそう言って、数名の看護師の名前を挙げた。
「…どれも違うんと思うけど。」
「そうかなあ…。」
それにしても、好きな女に協力すると言われて、水沢もどう思ったことか。
「何かできることないかなあ?」
それは琴子が水沢の懐へ飛び込むことで万事全てが解決する。でもそれは絶対に琴子には言えない。
「ない。」
直樹のあっさりと言った一言に、琴子はムキになった。
「えーっ、可哀想じゃない。そんなに冷たく言わなくても…。」
琴子の話をかき消すように、直樹は言った。

「ところで、お前、この間あんなにこの部屋にいるの嫌がっていたのに、誘い出すってどういう理由?」
「あ…。」
漸く、この間のこの部屋での出来事を思い出したらしい。琴子の顔が耳まで真赤になった。
「…家まで待てないって意思表示?」
「違う、違う!さっきも言ったとおり、ここ静かだし、人目を気にせず入江くんと話ができるから…。」
「お前、後は家に帰るだけだろう?」
またもや怪しい雰囲気になってきた。
「そう。じゃ、私は先に帰るね…。」
琴子はそう言って立とうとしたが、また直樹に腕を掴まれて立てなくなっていた。
「この間は、惜しい所だったしな。」
直樹の顔は完全に琴子を面白がっている。
「今日はもう何もないんだから、ゆっくりしていっても平気だろう?」
「わ、私は何もなくても、入江くんはまだ仕事中でしょ?」
「別に当直な訳ではないし、たまっている書類仕事で残ってるだけだから。」
直樹はそう言って、微笑みながら琴子の肩に手をかけた。
「じゃ、さっさと医局へ戻った方がいいんじゃない?」
琴子は何とかして直樹の手から逃れようとするが、身動きが取れない。
「俺の能力ならすぐに終わるから、大丈夫。」
直樹の言葉を聞きながら、琴子は結局、なされるがままに倒れてしまう。
「…もういいか。」
琴子が半ば観念し、目を閉じた時、二人の間に電子音が流れた。
「…もしもし。」
直樹のPHSの着信音だった。どうやら急患が入り、医者の手が足りないSOSのようだった。
「やっぱり、神聖な職場ではダメだということなのかもね。」
電話を切る直樹を見ながら、琴子がイタズラっぽく笑った。
「…かもな。」
結局、二人はキスだけ交わしてその場を後にすることになったのだった。

それから数日経ったある日の夜、琴子は夜中に薬の処方の指示が出された患者のために、薬剤部へと向かった。
「すみません。先程電話で連絡した小児科の相原ですけど…。」
薬剤部内には、水沢の姿があった。
「これが処方箋です。」
琴子は、水沢へ処方箋を手渡した。
「少し待ってて。今処方するから。」
薬剤部には水沢一人しかいなかった。もう一人いる夜勤の薬剤師は用事で出ているらしかった。
琴子は興味深く、水沢が処方する様子を見ていた。
「はい。」
処方した薬を水沢は琴子へ手渡した。
「相原さん、少し時間ある?コーヒー飲んでいかない?」
そんなに急ぐこともなかったので、琴子は水沢の言葉に有難く甘えることにした。
「今淹れるから、そこの椅子にでも座って待っていて。」
水沢の指し示した方向には、ちょっとしたテーブルと椅子が数脚置かれていた。
「それじゃ、お言葉に甘えて。」
琴子がその内の一つに座ろうとした時、突然椅子がぐらついた。
「えっ!?」
「危ない!」
椅子ごと倒れた琴子の傍に、水沢が慌てて駆け寄り、琴子を抱きとめた。

「ごめんね。その椅子、壊れていたんだった。先に言っておくの忘れてた。」
「…びっくりした!」
琴子は息をつき、水沢の腕から離れようとした。が、なぜだか水沢の力が強くて離れることができない。
「…あの、水沢くん?もう大丈夫だから…?」
それでも水沢の力は緩まない。さすがに琴子がおかしいと思い始めた時、水沢がようやく琴子から体を離して、言った。
「…このままでいたら、どうなるのかな?」
「え?」
驚いた琴子が水沢の顔を見上げると、水沢の表情はいつもの笑顔のままだった。
「…入江先生より、僕の方が相原さんを幸せにする自信があるって言ったら、相原さん、どうする?」
「そんな…?」
琴子は水沢が何を言い出したのか訳が分からなくなり、慌てて立ち上がると、テーブルの上に置いた薬を引っ掴んで、薬剤部を出て行った。

「あーあ、つい言っちゃった。」
床の上にしゃがんだまま、水沢は琴子が出て行った後、ぽつりと呟いた。立とうとした時、床の上に何かが落ちていることに気がついた。
「あらら、落としていったんだ。」
水沢が拾い上げた物、それは琴子がポケットに入れていたネックレス仕様にした結婚指輪だった。
「大事なものだろうに…。」
水沢はそう言いながら、指輪をポケットへ入れた。

バタバタとすごい足音が後ろから迫ってくる。長時間に及んだ手術を終え、術着のまま廊下を歩いていた直樹は何事かと後ろを振り返ろうとした。が、振り返る間もなく、何かが直樹の体にぶつかった。しかし、足音の主はぶつかったことにさえ気づかず、猛スピードで走り去って行った。
「…琴子?」
見覚えのある後姿を呼び止める暇もなく、琴子の姿はすぐに暗闇の中へと消えていった…。
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