日々草子 Mr.Mystery 5
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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
そっと見守っていただけたら嬉しいです。

※当ブログに掲載されている文章及びイラストの無断転載・使用はご遠慮下さい。

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このブログについてのお願い

当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

このブログ及び掲載されている話が嫌いだと思われたら、黙ってあなた様の中から、このサイトの存在を消去していただけますよう、お願い申し上げます。

最新記事

Mr.Mystery 5

なんとなくバカバカしい話が書きたくなりまして。
ずっと温めていて、温めすぎて腐りかけていたものをちょっと書いてみました。
この本編がどこにあったっけと探したのですが最初見つからず。ブロ友さんに助けていただいて無事見つかりました!
その節はお世話になりました。
その本編がこちらです。
まったく、私らしくない英語のタイトルをつけていたとは!(笑)
『水面に映る蓮の花』もちゃんと書きますので、その時はよろしくお願いいたします。

☆☆☆☆☆







入江探偵事務所には最近、新しい顔ぶれが増えた。
「フン、フン、フン」と鼻歌まじりで手提げ金庫を磨いているのは相原琴子である。
「おい、ネコババするんじゃないぞ。」
「んま、それほどお金に困っていなくてよ。」
琴子に声をかけたのは、この事務所の金庫番でもある入江裕樹。所長の弟だ。
「ったく、図々しく押しかけやがって。」
元は依頼人だった琴子が社会勉強と称して押しかけてきたのは間違いない。いくら所長と裕樹に冷たくされても、せっせと事務所まで通ってくる根性は大したものである。

「先生はまだかしら?」
琴子は時計を見た。もう午前10時を回っている。
「今日は依頼人のところへ伺う予定になっているのに。」
そう琴子が言ったところで、ドアが開き所長である入江直樹がやって来た。
「先生、おはようございます。」
「…ネコババする気か?」
琴子がしっかりと握っている手提げ金庫に目をやり、直樹は自分の席についた。
「兄弟そっくりですこと。」
膨れながらも、琴子はいそいそと直樹にお茶を淹れる。
「はい、ついでに裕樹くんも。」
「ついでとは失礼な。」
そんな二人のやり取りもすっかり日常茶飯事となった。

「さてと。出かけてくる。」
郵便物にさっと目を通したあと、直樹は慌ただしく立ち上がった。
「そうですね、私も。」
なぜか琴子まで身支度を始める。
「お前、どこにいくんだ?」
最初の礼儀正しさはどこへやら、直樹が怪訝な顔で琴子を見た。
「どこって、先生と一緒に。」
「は?」
「もう、先生。今回の依頼は?」
「家出した成金の娘を探すことだ。まったく、バカ娘があちらこちらにいて疲れる。」
じっと琴子を見て直樹が答える。
「失礼な」と憤慨しつつもすぐに琴子は気を取り直した。
「だから、私も一緒に行くのです。」
「何のために?」
「もう、名探偵なのに全然推理力が働かないんですね。」
パンパンと琴子は直樹の背中を叩いた。
「いいですか?家出したのはお嬢さんでしょう?同性である私も一緒の方がいいことありますって。」
「はあ?同性?女がどこに?ねえ、どこに?」
裕樹がわざとらしく手を額に掲げ辺りを見回した。
「男性一人より、女性が一緒の方が役に立ちますよ。」
「足手まといだ。さっさと家に帰って花嫁修業してろ。」
「今は社会勉強の時間なのです。」
「さあ、さあ」と琴子は強引に直樹の背中を押し、事務所を後にした。



「はあ…すごいお宅ですねえ。」
依頼人の屋敷を前に、琴子はため息をついた。
「なんというか…眩しい。」
その屋敷はいかにも「成金」とばかりの、ゴテゴテした外見である。
「金は存分にあるからと外国の真似をやたらした結果だろう。」
「先生はこういうお宅はお好きですか?」
「落ち着かない。」
「そうですか。」
直樹のことは何でも知りたい琴子は持参した手帳に「ゴテゴテ屋敷は嫌い」とメモした。
「さてと…中へ。」
門の中に足を踏み入れた途端、「ガウッ!!」という声が聞こえた。
「きゃあっ!!!」
琴子に向ってやってきたのは番犬として飼われている二頭の大型犬である。
「助けてえ!!」
「おい、走るな!」
直樹の言葉は聞こえない琴子は、庭をバタバタと走り回る。犬はそれを追いかける。
「ったく…。」
直樹は「ピュー」と口笛を吹いた。すると木によじ登る琴子を置いて犬たちが直樹のそばへやって来た。
「先生…?」
犬たちがそばへ寄ると、直樹は無言で手をかざす。すると犬たちはぴたっとそこへ止まり座った。
次に直樹は手のひらを下へ向け動かした。犬たちは途端に服従の姿勢を見せた。そしておとなしくなった。

「先生、すごい!魔法使いみたい!」
木にしがみついたまま琴子は歓声を上げる。
「おい、庭師見習いするならそのままでいれば?」
直樹は相変わらず冷たいまま、琴子を見上げていた。
「そんな…降りられないんですよ。」
どうやって登ったかも覚えていない。
「ったく。」
直樹は両手で琴子の体をつかみ、ベリッと引き離した。
「世話ばかり焼かせやがって。」
一瞬、琴子の体を抱く形になった直樹。琴子の耳は真っ赤になった。



「はあ…中もすごいこと。」
通された応接間も金ぴかであった。外国と日本、金に飽かせて作ったと思しき家具や照明が並んでいる。
「うちも成金といわれる部類ですけど、ここまでは…。」
そういえば相原家は慎ましやかなたたずまいだったなと、直樹は思い出していた。
そしてノックの音が聞こえた。

「どうも、私がこの家の主である証城寺です。」
金ぴかの屋敷にふさわしい、脂ぎった当主かと思いきやまったくの正反対であった。首元におしゃれなスカーフを巻き、髪もゆるやかなカーブがかかっている主人が登場した。
「まあ、素敵。」
琴子がつい呟いてしまうほど、顔も美男子である。どうしてこんな人がこんな趣味なのだろうか、それとも家族の好みなのかと琴子は首を傾げた。
「入江です。」
「お噂はかねがね。阿形と吽形が失礼した。来客時は小屋へ入れておくようにと命じておいたのだが。」
「あぎょう?うんぎょう?」
「我が家の犬たちの名前だ。しかしすごい。あの二頭を手なずけることができたのは私の他に入江先生が初めてです。」
「私も犬を飼っておりますから。」
「へえ」と琴子は驚いた。直樹も犬を飼っている。
「きっとオオカミのような怖い犬ね。ううん、オオカミそのものかも。」
あの恐ろしい犬を手なずけたのだから、それくらいの犬を飼っているにちがいない。
「ところで、そちらは?」
「ああ、これは…。」
「相原と申します。入江探偵事務所の助手です。」
直樹に下手な紹介をされる前に琴子は自分から名乗った。追い返されてはたまらない。
「すみません、すぐに帰しますので。」
「ああ、いやいや。そのままで結構。娘と同じ年ごろのようだし、何か参考になる意見がもらえるかもしれんからな。」
「ほうら」と琴子は直樹に視線を送った。直樹は舌打ちしそうな顔を隠し、証城寺を見た。
「ご令嬢が家出されたとか。」
「ああ、が実は違うんだ。」
「違うと申しますと?」
「娘は一人じゃない。男にそそのかされたんだ。」
「んまあ!!」
と琴子が眉をしかめた。
「あんな男を私と妻が信用したばかりに…。」
心底悔しそうな証城寺であった。
「駆け落ちということですか?」
「娘は騙されたんだ!!」
バン!とテーブルを証城寺は叩いた。

「お相手に心当たりがあるのですね?」
興奮する証城寺とは正反対に直樹は冷静だった。琴子はメモを取ろうと手帳を開く。
「娘のフランス語の家庭教師だ。娘はフランス語が好きで、私もこれからの女性は学問が必要になるという考えで、その力を伸ばしてやりたかった。」
「うへえ、学問が好きなんて」と琴子は聞こえぬよう囁いた。隣の直樹にギロリと睨まれ、琴子は首を縮めた。
「女学校を出た後、もっと学問がしたいというので師範学校に進ませた。学校の授業だけじゃ物足りないというので家庭教師をつけてやったのだが…東京帝大の優秀な学生だというから信用したのに!」
その家庭教師と恋に堕ち、手に手を取って逃げてしまったということかと琴子は思った。それにしても駆け落ち…琴子は胸が高鳴る。
「素敵じゃないですか。本当に好きな方と一緒になりたいなんて。」
ついそんな言葉が琴子の口から出てしまった。
「何が素敵だ!」
「だってそうじゃないですか。その…学問好きな変わったお嬢様。」
「変わった?」
「あ、いえ。大層優秀なお嬢様とこれまた優秀な帝大の学生さん。お二人が出会って恋に堕ちて…はあ、小説のようです。」
そういう類の小説が大好きな琴子はすっかり夢の世界へと羽ばたいてしまっている。
「恋など堕ちておらんわ!!娘は騙されたんだ!!」
またもや証城寺はテーブルを叩いた。上に置かれたコーヒーカップがカチャカチャと音を立てる。
「この家の、私の財産を狙ってあの男は娘をたぶらかしたのだ!まったく、最低だ!人柄もよく優秀だが頼るべき家がないというので、ゆくゆくはうちの会社に入れてやろうと思っていたのに!」
「まあまあ、落ち着いて。」
琴子は証城寺をなだめた。
「騙されてなどいませんよ。そんな優秀なお嬢様が騙されるわけありません。お二人は本当に心から愛し合い、財産も地位も捨てて一緒になりたくて…。」
「そんなわけあるか!!」
「とりあえず、落ち着きましょう。」
黙って二人のやり取りを聞いていた直樹が初めて口を挟んだ。
「証城寺さん、ご令嬢の相手の名前を教えていただけますか。あと写真などあれば。」
「あるとも!!ズタズタのボロボロにしてグリグリと踏みつけてやろうとしたが、君に見せるために必要かと我慢しておった。」
証城寺はなぜか箸をポケットから出した。そしてそれを懐へ入れる。出した時、その先には写真がぶら下がっていた。
「触りたくないほど嫌いなのね。」
外見は見惚れるほどなのに頭はガチガチなのだからと琴子は呆れながら、テーブルの上に放り出された写真を見た。
「まあ!」
またもや感嘆の声を琴子は上げた。そこに写っていたのは詰襟制服姿の、これまた美男子ではないか。
「これが娘をたぶらかした悪の中の悪、進藤だ。」
「そんなことないでしょう。こんなに素敵な方なのに!!」
「見た目で判断するな!」
「判断しますとも!こんな素敵な方がたぶらかすなんてことするわけないわ!」
完全に主観が入っている琴子であった。
「もちろん、こやつの下宿はもぬけの殻であった。二人でどこを逃げ回っているのか。」
「いっそのこと、世界の果てまで逃げてしまえばいいんだわ。」
琴子がつぶやくと「何?」と証城寺がギロリと睨んだ。

「それで、ご令嬢のお写真もお借りできますか?」
「おお、そうだな。」
進藤の写真の扱い方とは正反対、それはもう割れ物とばかりにハンカチにつつまれた写真を証城寺は出した。
「娘のたぬ子だ。」
「これは…。」
名は体を表すとはこのことだと琴子は思った。
「この進藤という男は最低です!ええ、お父様のおっしゃるとおり、お嬢様は騙されています!!」
「写真を見た途端、なぜ意見を翻した?」
と証城寺が問えば、
「お前、いい加減にしろ!」
直樹が琴子の頭をポカッと叩いた。
「だって先生…。」
「思ったことを何でも口にしていいってもんじゃない!世の中にはいろんな趣味の男がいるんだ。」
「君も大概失礼なことを言ってないか?」
直樹と琴子の顔を証城寺は不満そうに見比べる。

「それにしても…たぬ子さんは母親似なのかしらね?」
目の前の証城寺の顔と、この写真の顔がどうしても結びつかないと琴子が腕を組んでいると、ノックの音が聞こえた。
「あなた…たぬ子の行方は…。」
「おい、休んでいろと言ったじゃないか。」
和服姿のこれまた美しい女性が弱弱しく応接間に入って来た。
「家内だ。」
「え!?」
琴子が素っ頓狂な声を上げた。
「お、奥様?」
美男美女の夫婦がそこにいる。そして隣にはこれまた美男の探偵が。
「どうした?」
「いえ、あまりの眩しさに自分がここにいていいのかと…。」
明らかに自分だけがこの集団に似つかわしくないと琴子はクラクラしてきた。
が、すぐに立て直した。
「たぬ子…ああ、どこへ行ってしまったのかしら…どうして母に何も言ってくれなかったのか。」
オヨヨヨと泣き崩れる証城寺夫人。それを労わる証城寺。
「どうしてこの二人の娘が…。」
琴子はハッとなった。
「わかったわ!ただの駆け落ちじゃないのよ!」
「は?」と証城寺夫妻が琴子を見た。
「たぬ子さんは駆け落ちじゃありません。きっと秘密を知ってしまったのです。」
「秘密?」
「ええ。自分が実の…痛い!!」
「実の娘じゃない」と言おうとした琴子の足を、直樹がテーブルの下でおもいきり蹴って来た。それも何度も。
「痛い、何を!」
痛がる琴子に、直樹が証城寺夫妻にばれぬよう目配せをする。
「あっ…。」
応接間の壁には、先代の証城寺家の当主と思しき老人の写真が掲げられていた。
「そっくり…。」
その顔は、たぬ子にそっくりであった。



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初めまして(o^^o)

初めてコメントさせて頂きます。
いつもとても楽しく拝見させて頂いています。
約半年前にこちらのサイトに出会ってから今日まで、過去作品から全ての作品を読ませて頂き、やっと最新作まで追いつきました。
「追いついたら絶対コメントしよう!」と決めていました!
数あるイタキス二次小説サイトの中でもダントツで1番面白いです!!
どの作品も順番をつけられないくらい大好きですが、あえて挙げるなら、『神戸シリーズ』『入江法律事務所シリーズ』『君がためシリーズ』『天の海 月の舟シリーズ』『Daddy Long Legsシリーズ』『私の美しい貴婦人シリーズ』『フトンシリーズ』が特に大好きです。
おかげで毎日寝不足にはなりましたが、とても楽しく日々を過ごさせて頂きました。
現在連載途中の『水面に映る蓮の花』も本当に面白くて、続きをとても楽しみにしています。
今までは完結したお話ばかり読ませて頂いていたので、今回やっと追いついて続きを待つ楽しみというものを初めて味わっています。
『水面に映る蓮の花』で涙していたら、『入江法律事務所』や『ハイエナ』で大笑いしたり(仕事中に読まなくてよかったと思いました)、この揺さぶりがクセになります(笑)
個人的には、ほんわかしたハッピーなお話も好きですが、『水面に映る蓮の花』のようなピリリとしたお話の方が好きなので、これからも楽しみにしています。
季節の変わり目、お身体の調子を崩されないようお気をつけてください(*^^*)

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