日々草子 アタリ?それとも…? 3

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水玉

Author:水玉
『イタズラなkiss』のほかには『ゴルゴ13』が好きです☆
多数あるイタキスの二次小説の中で邪魔することなく、ひっそりとマイペースで我が道をゆきつつ生息しております。
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当ブログは、『イタズラなkiss』の二次創作をメインとしておりますが、時折管理人の趣味や日々の出来事についての記事も書いております。

原作者様や関係各位とは一切関係ありません。

二次創作については、いわゆる原作の隙間をぬった作品もありますが、主人公以外のキャラクターをメインとしたものや オリジナルキャラクターが出てくるものもございます。

そして、原作と違った時代(平安や明治やその他の時代を舞台にしております)、異なる設定(主人公を医者と看護師じゃない職業にしております)で書いてあるものが多いですが、原作を冒涜しているつもりは全くございません。

二次創作が苦手という方及び原作のイメージと合わないと思われる方はどうぞお引き取り下さいますようお願いいたします。

コメント及びメールなどでの苦情及び批判は公開、非公開を問わず、私へ告げることはご遠慮いただけますよう、お願い申し上げます。

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直樹が心配していた患者、慎一を部屋に尋ねたが本人はいなかった。
「慎一くん、抜け出すのはいいけれど中々戻ってこないんだよねえ。」
まあ動く元気があるのは悪いことじゃないかと笑う琴子に、天美はもどかしさを感じた。
「ええと…あ、いたいた。」
なぜか三階の渡り廊下に慎一はいた。
「慎一くーん。」
琴子が声をかけると、点滴をぶら下げたその少年は、明らかに見つかったことに気分を害した顔をした。
「病院を散歩していたのかな?」
「こんな所散歩する物好きはいないだろ。」
小学4年の慎一は琴子に反抗的である。
「そっか、そっか。それは失礼。」
「部屋に戻れば文句ないんだろ。」
「うん、歩きながらちょっとお話しようか。」
天美から見ると、いくら患者でも生意気ではないかという態度の少年であるが、琴子はそうは思わないのかニコニコ笑っている。もっとも天美にとってはヘラヘラ笑っているという表現がピッタリであったが。
「何だよ。」
「うん。あのさ、慎一くんさあ、病院の食事ってまずいかな?」
「まずい。」
即答だった。
「そっかあ。ごめんね。」
琴子が作っているわけでもないのに、どうして謝るのかと、これも天美には理解できない。
「好きなものってある?」
「フォアグラ。」
「フォアグラ?」と天美は目を丸くした。この子、セレブなのか?
「…食べたこと、あるのかな?」
琴子がジトーッと慎一を睨んだ。
「…うるせえ、ブス。」
プイと横を向く慎一。
「失礼ねえ、ブスとは何よ。」
「ブスはブスだ。ブース。」
「ちょっと…」とさすがに注意をしようとした天美を琴子は目で止めた。
「で、本当に好きな物はなあに?」
「…ハンバーグ。」
「うわあ、グッドタイミング!」
琴子はパンと手を叩いた。それを訝しげに慎一が見る。
「今夜、ハンバーグだよ。」
「あ、そ。」
「楽しみだね。」
「別に。」
慎一は不機嫌なまま、病室へと戻ったのだった。



慎一を病室へ送り届けた後はスタッフステーションへ向かうかと思いきや、琴子は来た道を戻り始めた。
「入江さん、どこへ行くのですか?」
「ん?さっき慎一くんがいたところ。」
入職したばかりの時は散々迷って患者に迷惑をかけた琴子であったが、さすがに今はもうそのようなことはない。あっという間に渡り廊下に到着した。
「うーん…。」
辺りを見回し、琴子は外も眺めた。
「何か落としたのですか?」
「ううん。慎一くんがさ、ここで何をやっていたのかなって。」
「はあ!?」
何をやっていたってただ、ここでボーッとしていただけじゃないか。そんな理由で貴重な時間を費やしているのかと、天美は呆れ果てた。
「何をしていたんだと思う?」
「さあ…退屈だから歩いていただけでしょう?」
「でもね、気づくとここにいるわけよ。」
「そうですか。余程この場所が好きなんでしょうね。」
子供には何かこだわりがあるのだろうと、天美は気にしていなかった。
「そうかあ…。」
「それより、随分と口の利き方がなっていませんよね、あの子。」
「え?そう?」
「ブスとか言ってたじゃないですか。」
「あの年頃の男の子の口癖でしょう?」
「家族や友達でもない大人に?」
「いや、そんなものよ。裕樹…あ、義理の弟なんだけど。弟もあの年頃は私にあんな感じだったしね。」
義理の弟というと入江直樹の弟ということかと天美は顔を想像しようとした。
「随分年が離れているんですね。」
「離れている方に…入るか。今は中学生だしねえ。大人になったよ。」
「はあ。」
そうすると直樹と琴子は随分と長い交際の末に結婚したということか。ま、そのようなことに興味はないがと天美は思った。
「渡辺さん、兄弟は?」
「いません。」
「一人っ子。それじゃあご両親に大切にされたでしょうね。実家通勤だっけ?」
「寮です。」
「そうなんだ。」
「…戻る実家はないので。」
最後の言葉は消えそうなほどの小声になった天美だった。
「あ、ごめんなさい。」
聞いてはいけないことを聞いてしまったと琴子は悔やんだ。事情があって一人で生きているのかもしれない。その彼女を前に家族の話をペラペラとしてしまった。
「いいえ。」
天美はプイと横を向いた。また距離が深まってしまったと、琴子は反省したのだった。



好物のハンバーグだったにもかかわらず、慎一は夕食をほとんど残してしまったと琴子達は翌日、夜勤の看護師に聞かされた。
「朝も食べないか。」
「どこかに食べ物を隠しているんじゃありませんか?」
「それはないんだよね。」
「うーん」と琴子は頭を抱えた。
「数値が悪いわけじゃないけれど、食べないとどうなるか分からないしねえ。」
「退院したら戻るんじゃありません?」
本当に病院食がまずくて食べないだけじゃないのかと天美は言った。
お腹が空いたら自然と食べるかと思っていたが、本当に食欲がないようであった。それが琴子には気がかりである。
「このままだと退院が伸びるな。」
直樹も退院させられないと言う。
「早くお家に帰してあげたいんだけどなあ。」
どうすればいいんだと嘆く琴子に、「放っておけ」という言葉が出かかる天美であった。


二人とも少年にかかりきりというわけではない。他にもすべきことは山程ある。
天美は相変わらず点滴や採血の腕はよく、琴子も感心することしきりであった。
そしてこの日、夜勤と交代する時間がやってきた。
「渡辺さん、お疲れ様。時間ね。」
スタッフステーションに戻ると、琴子ではなく夜勤の幹が迎えてくれた。
「入江さんは?」
「ああ、患者さんと話し込んでいるわ。先に上がって大丈夫よ。」
「先に?」
意外だという顔をする天美であった。
「でも…。」
他病棟の同期たちからは、先輩が上がれるまではすることがなくても帰れないと聞いていた。プリセプターの琴子より先に上がるというのはどうだろうかと天美は思い、何となくそのままステーションに残っていた。
「あれ?渡辺さん、まだ上がってないの?」
琴子が戻ってきたのは、定時より1時間後だった。
「プリセプターより先に上がるのはまずいと思ったみたいよ。」
「そんなこと気にしなくていいのに。」
待たせちゃってごめんねと琴子は笑った。
「この次からはすることがなかったら上がっていいからね。」
「そうそう、うちは師長がそこはちゃんとしてくれているから。」
「…外科ってそういう所、すごいですよね。」
つい天美が呟いた。
「ああ、そうなのよ。細井師長が厳しいからね。長く働いてもらうためにはきちんと時間管理をって。無駄な上下関係は不要って考えだから。」
幹が言うと、
「うん、そうだよね。私たちも新人の頃から先に上がらせてもらっていたし。」
と琴子も言う。
「それじゃあ、お先に失礼します…。」
天美が挨拶をした。
「お疲れ様。」
琴子は挨拶を返すと、机に向かった。
「あの…。」
「ん?あ、色々書類仕事があるのよ。気にしないでね。」
「はあ。」
スタッフステーションを後にした天美は、チラリと琴子を振り返った。
「…きちんとした時間管理になってないじゃないの。」
あれでは残業決定だ、今から書類仕事だと帰りは何時になるのだろうと思う。そもそも、患者と話し込むから無駄な時間をかけているのではなかろうか。
「…何かイライラする。」
誰もいないことをいいことに、天美はボソッと呟いた。

「…美容外科に転職しようかな。」
数日後の昼休み、食堂で派手な部類に入る同期たちがそんなことを話していた。天美はたまたま席がそこしか空いていなかったため、無理矢理話の輪に加えられてしまった。
「もう辞める。きついし人間関係ギスギスだし。」
「私はエステにしようかな。」
「エステってノルマとかあるらしいよ?」
「え?そうなの?でも夜遊べるし。」
もう辞めることを話しているのかと、天美はやれやれと思った。
「そういえば渡辺さん。」
こちらに話を振られないうちに退散しようと思っていたのに天美は捕まってしまった。
「入江先生の奥さんがプリセプターなんでしょ?」
「…ええ。」
「え!そうなの?」
知らなかったと同期達が騒ぐ。言っていないのだから当たり前でしょうと天美は心の中で毒づいた。
「入江先生と会った?」
「会ったけれど。」
「え!?本当!」
「話もした。」
「いいなあ、外科!」
「…騒いでも無駄だと思うけれど。」
「ん?」
「入江先生、奥さんにべた惚れ。」
「…そりゃまあ。」
同期は口を尖らせた。天美はそこで気づいた。
「でもさ、何で入江先生があの奥さんを選んだかって不思議だよね。」
食事をしながら同期達は話を始めた。
「入江先生くらいのスペックならさ、もっと高スペックな奥さんでもいいわけじゃない?」
「超絶美人とかね。」
「あの奥さん、言っちゃ悪いけれど平凡そのもの。」
これを聞いたとき、天美は自分の眉がぴくりと上がったことに気づかなかった。
「見た目よりもっと酷いのが中身だって。」
「すごい出来の悪い人らしいじゃない。」
「採血させたら辺り血の海。」
「トロくて仕事遅いらしいし。渡辺さん、結構酷い目に遭ってるんじゃ…。」
「あのさあ!!」
天美が大声を出した。これに驚いたのは同期達だけじゃなく天美本人もそうだった。
「…話したこともない人のこと、噂だけで決めつけるのってどうかと思うけど。」
天美がギロリと同期達を睨み付ける。
「な、何よ…。」
「そ、そんな怒鳴らなくたって。」
「目当ての医者が既婚者だったからって、その奥さんを悪く言うのってみっともないと思う。」
「べ、別に悪く言うとか!」
「じゃあ、見たわけ?血の海とか刺し違いとか。」
「そ、それは…。」
同期達は居心地悪そうにお互いの顔を見る。それぞれが「言い出したのは自分じゃない」と責任を押しつけ合っていることは目に見えて明らかだった。
「だって、渡辺さんさ、プリセプターをこっぴどく痛めつけてるって話じゃないの!」
突然、誰かがそんなことを言い出した。
「はあ?」
寝耳に水とばかりに天美が顔色を変える。
「ちょ、ちょっとばかり出来がいいからって何よ。そりゃああなたみたいな優秀な人から見たら私たちなんて馬鹿でどうしようもなくて相手にしてられないでしょうけど。」
顔を真っ赤にして必死の反撃をする同期。
「だったら…。」
同期に対して冷静な天美が口を開きかけた時だった。

「だったら努力して、自分も優秀になればいいんじゃないのか?」

その声に全員が振り返った。そして声にならない叫びを上げる。
「い、入江先生!!」
酷く冷たい顔をした入江直樹が、そこにいたのであった。
「どうしてここに…?」
「自分の名前が話題に上がっていれば、気になるのが普通じゃないのか?」
その言葉に新人看護師たちは俯くしかなかった。
「入ったばかりだし色々愚痴があるのは分かるし、それを言い合って憂さ晴らしするのも俺は止めない。が、それを他人への八つ当たりを手段につかうというのはどうかと思う。」
恐ろしい時間だと、天美は思った。これは完全に怒っている。
「それと。」
直樹は新人達を見回し、言った。
「どんな奴であろうと、俺の妻を侮辱することは許さない。俺と結婚しただけで妻を侮辱するというならば、俺が相手になるからいつでも医局に来い。」
そこで返事をする新人達は誰もいなかった。

食堂を去るとき、天美はぺこりと食事中の直樹に頭を下げた。その後ろ姿を見ながら、直樹は苦笑しながら呟いた。
「琴子の奴はどうして性別を超えてモテるんだろうな。」
どうやら琴子が扱いかねている新人は、知らず知らずに琴子に魅了されているらしい。


しかし、昼休みを終えた天美を待っていたのは、真っ青な顔をした琴子だった。
「渡辺さん、師長と清水主任が呼んでいるの。」
「え?」
「とりあえず、一緒に来るようにって。」
「大丈夫よ」とオロオロしながらも琴子は天美を励ました。が、天美はなぜ呼ばれたか、その理由に薄々気づいていた。

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待っていました♡
でもただ一方的に待っているだけですので、遅くなっただなんて思わないでください(^^)
またつづきを読めたら嬉しいな(^ ^)

rinさん、ありがとうございます。

お優しい言葉、ありがとうございます!
その言葉に甘えてしまって…
続き、がんばりますね!

yearさん、ありがとうございます。

たまにはカッコいい入江くんをと思いました。
カッコいいと思っていただけて嬉しかったです、ありがとうございます。
そうなんですよね、琴子ちゃんに気付かないうちに影響を受けていっているんですよね、天美さん。
今後どう変わっていくかも楽しんでいただけたらいいなと思っております。

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